秋風が心地よい季節となりましたが、スーパーで買い物をするたびに、物価の高さにため息をつくこともあるかもしれません。日々の食費が家計を圧迫する中、「貯蓄」や「負債」について、どれくらい把握していますか。

今回は、帝国データバンクの「カレーライス物価」と、J-FLEC(金融経済教育推進機構)の最新調査結果などをもとに、物価高と家計の貯蓄・負債の実態を解説します。

1. 「カレーライス物価」の最新動向!物価高は落ち着いたの?

2025年9月10日に帝国データバンクが公表した2025年7月の「カレーライス物価」は、1食あたり438円(前年同月342円)となり、2カ月連続で値下がりしました。これは、カレーライスを作るのに必要な原材料や光熱費などを独自に試算した指数で、米や野菜の価格が安定してきたことが主な理由です。

しかし、前年同月と比較すると約28%も上昇しており、依然として高い水準が続いています。8月も小幅な値下がりが予想され、急激な物価上昇はひとまず落ち着いたとみられますが、家計への負担は今後も続くでしょう。

このような物価高が続く中で、私たちの貯蓄や家計はどのような状況にあるのでしょうか。次の章でみていきましょう。

※カレーライス物価、カレーライス物価指数は、いずれも帝国データバンクの独自試算による指数です。

2. 【みんなの貯蓄】二人以上世帯でみた「貯蓄1000万円」達成している年齢層はどこ?

今回はJ-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」を参考に、まずは二人以上の世帯の貯蓄額を年代別にみていきます。

二人以上世帯の貯蓄額

二人以上世帯の貯蓄額

出所:J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」をもとにLIMO編集部作成

2.1 【一覧表】二人以上世帯(40歳代〜70歳代)貯蓄額の平均値と中央値

  • 40歳代:平均値944万円・中央値250万円
  • 50歳代:平均値1168万円・中央値250万円
  • 60歳代:平均値2033万円・中央値650万円
  • 70歳代:平均値1923万円・中央値800万円

二人以上の世帯における年代別の平均貯蓄額を見ると、40歳代は900万円近く、50歳代では1000万円を超える結果となっています。

40歳代は住宅ローンや子どもの教育費など大きな支出が重なる時期であり、貯蓄ペースが緩やかになる傾向があります。また、50歳代に入ると、子どもが独立し教育費が減少したり、世帯収入が増えたりすることがあり、貯蓄のペースが加速することが見込まれます。

60歳代に入ると、平均貯蓄額は2000万円を超え、50歳代との差は約1000万円となっており、これは退職金などの一時金が影響していると考えられます。

一方、中央値を見てみると、平均値と大きな差が生じており、実際の貯蓄額にはゼロから3000万円以上までバラつきがあることがわかります。