4. 【みんなの負債】二人以上世帯「平均負債額」はいくら?

最後に、総務省統計局「家計調査報告 貯蓄・負債編2023年(令和5年)平均結果の概要(二人以上の世帯)」を参考に、世帯主の年齢階級別に1世帯あたりの平均的な貯蓄現在高と負債現在高をみていきましょう。

調査結果によると、40歳未満の平均貯蓄額は782万円で、40歳代では1208万円、50歳代では1705万円、60歳代では2432万円となっています。

一方、負債の平均額は、40歳未満で1757万円、40歳代で1388万円、50歳代で715万円、60歳代では201万円となっており、負債の保有世帯の割合は40歳未満が63.8%、40歳代が67.9%と最も高く、50歳代で56.3%、60歳代では27.4%です。

貯蓄計画を立てる際には、人生の三大支出である「住宅費」「教育費」「老後資金」に対して、どこまで支出を見込むか、またどのように準備していくかをしっかり考えることが重要です。

5. まとめにかえて

今回は、物価の最新動向と、家計の貯蓄・負債の実態について解説しました。「カレーライス物価」が小幅に値下がりしたというニュースは嬉しいものですが、高止まりの状況は続いており、物価高が完全に収束したわけではありません。

一方で、家計の貯蓄は平均値を見ると高く見えますが、中央値は低い傾向にあります。これは、ごく一部の人たちが平均値を大きく引き上げているからと考えられます。貯蓄を増やすには、まず「自分が今いくら貯めているか」「どれくらいの負債を抱えているか」を正確に把握することから始まります。そして、「住宅費」「教育費」「老後資金」といった人生の大きな支出を見据え、将来にわたって無理のない計画を立てることが何よりも重要です。

物価高は家計にとって大きな逆風ですが、自分の家計と向き合う良い機会と捉え、できることから一歩ずつ始めてみてはいかがでしょうか。

参考資料

入慶田本 朝飛