老齢年金は、私たちのリタイア後の暮らしを支える柱となりますが、そのしくみは意外に分かりにくい部分も多いでしょう。

厚生労働省の「生活設計と年金に関する世論調査」によると、「学生を含めた20歳以上の国民は、国民年金に加入する義務がある」ことを知っている人は82.0%、「60~75歳までの間で受け取り始める時期を選択できる」ことを知っている人は73.0%と、その割合は比較的高めでした。

一方で、「保険料の納付状況に応じて年金額が変動する」ことを知っている人は62.5%、「物価や賃金の変動に応じて年金額が調整される」点に至っては42.3%と、全体の半数以下となりました。

老後の年金額は、現役時代にどのような働き方をして、どのような年金制度に、どのくらいの期間加入していたかなどによって個人差が出ます。また、今の年金水準が、今と同じままでずっと続くとは限りません。

今回は、年金制度の基本に触れた後、2025年度の年金改定や、今のシニア世代が実際にどの程度の年金を受け取れているかを眺めていきます。