2. 【65歳以上・無職二人以上世帯】平均貯蓄額は「2504万円」

続いて、年金を主な収入源として生活している65歳以上の無職二人以上世帯の貯蓄状況について確認してみましょう。

総務省統計局が発表した「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2023年(令和5年)平均結果-(二人以上の世帯)」によると、65歳以上の無職で二人以上の世帯における平均貯蓄額は2504万円となっています。

65歳以上の無職の二人以上世帯における1世帯あたりの平均貯蓄額は2504万円となり、前年と比較して145万円(6.1%)増加しました。

この伸びの要因としては、数年前に大きな話題となった「老後2000万円問題」の影響が考えられ、老後資金に対する関心の高まりが背景にあると推測されます。

さらに、総務省統計局の同調査によれば、近年は預貯金だけでなく、投資に積極的に取り組む世帯が増加傾向にあることもわかります。

【65歳以上・無職二人以上世帯の貯蓄額の内訳(対前年増減率)】

  • 通貨性預貯金:754万円(7.9%)
  • 定期性預貯金:846万円(-2.2%)
  • 有価証券:480万円(5.9%)
  • 生命保険など:413万円(20.0%)
  • 金融機関外:11万円(120%)

この増加の背景には、NISAやiDeCoといった税制優遇を受けられる投資制度の普及が影響しており、資産運用に積極的な世帯が増えていることが要因と考えられます。

NISAやiDeCoは、少額からでも始めやすく、老後に向けた長期的な資産形成に適した制度です。

そのため、現役のうちからコツコツと活用し、計画的に資産運用を行うことをおすすめします。