老後に向けて貯蓄に励みたいものの、思うようにお金が貯まらないという人は少なくないでしょう。
収入が少ない、支出が多すぎるなど、お金が貯まらない理由はさまざまですが、同年代の人たちがどのくらい貯蓄しているのか気になる人もいるでしょう。
本記事では、「老後が目前に迫る50歳代」・「老後スタート前後の60歳代」・「多くが老後生活をスタートさせているであろう70歳代」の貯蓄事情を確認していきます。
いまのシニア世代の平均年金月額や生活費などもご紹介していますので、老後対策の参考にご覧ください。
1. 【50歳代・60歳代・70歳代】貯蓄ゼロの世帯の割合は?
ウチは貯蓄ゼロだけど、みんなはどのくらい貯蓄しているの?と気になる人もいるでしょう。
J-FREC 金融経済教育推進機構の「家計の金融行動に関する世論調査 二人以上世帯(2024年)」より、50歳代から70歳代の貯蓄額について確認していきましょう。
なお、貯蓄額には、引き落としに備える普通預金の残高や生活費などの支出費用は含まれていません。
調査結果によると、50歳代・60歳代・70歳代の二人以上世帯のうち、貯蓄ゼロの世帯はそれぞれ以下の通りです。
- 50歳代:29.2%
- 60歳代:20.5%
- 70歳代:20.8%
では、貯蓄額が「2000万円以上」の世帯はどのくらいあるのか。こちらも年代別に見てみましょう。
- 50歳代:17%
- 60歳代:28%
- 70歳代:27.9%
20歳代から40歳代までを見ると、2000万円以上の金融資産を保有している世帯は、10%を下回りました。一方で、50歳代では17%の世帯が2000万円以上の貯蓄を持っていますが、60歳代と70歳代ではその割合が約30%となり、おおよそ3世帯に1世帯が2000万円以上の金融資産を保有していることが分かります。
それぞれの世帯における貯蓄の平均値と中央値を確認しましょう。
1.1 50歳代・60歳代・70歳代の平均貯蓄額(平均値・中央値)
50歳代から70歳代までの平均貯蓄額を平均値と中央値でみると、以下の通りです。
- 50歳代 1168万円 ・250万円
- 60歳代 2033万円 ・650万円
- 70歳代 1923万円 ・800万円
中央値とは、データを小さい順に並べた場合に中央に位置する値です。60~70歳代の世帯の平均貯蓄額は2000万円前後となっていますが、中央値は1000万円以下となりました。貯蓄のある世帯とない世帯の格差が生じているといえるでしょう。