3. 老後に向けて「家計収支」をシミュレーションしてみよう

本記事では、老後が目前に迫る50歳代、老後スタート前後の60歳代、多くが老後生活をスタートさせているであろう70歳代の貯蓄事情を確認しました。

老後に向けて最低限どのくらいの貯蓄が必要なのかは、収入と支出とのバランスから計算してみましょう。

ご参考までに、いまのシニア世代の平均的な家計収支をご紹介しておきます。

2025年3月11日に総務省が公表した「家計調査報告〔家計収支編〕2024年(令和6年)平均結果の概要」によると、65歳以上無職夫婦世帯のひと月の家計収支は以下のとおりです。

65歳以上の夫婦のみの無職世帯の家計収支(2024年)

65歳以上の生活費

出所:総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要

3.1 毎月の実収入:25万2818円

■うち社会保障給付(主に年金)22万5182円

3.2 毎月の支出:28万6877円

■うち消費支出:25万6521円

  • 食料:7万6352円
  • 住居:1万6432円
  • 光熱・水道:2万1919円
  • 家具・家事用品:1万2265円
  • 被服及び履物:5590円
  • 保健医療:1万8383円
  • 交通・通信:2万7768円
  • 教育:0
  • 教養娯楽:2万5377円
  • その他の消費支出:5万2433円
  • 諸雑費:2万2125円
  • 交際費:2万3888円
  • 仕送り金:1040円

■うち非消費支出:3万356円

  • 直接税:1万1162円
  • 社会保険料:1万9171円

3.3 毎月の家計収支

  • 3万4058円の赤字

老後に向けて、収入源を確保したり資産を蓄えたりすることも重要ですが、並行して生活費のダウンサイジングも進めていきましょう。

国民健康保険料(75歳以上は後期高齢者医療保険料)や介護保険料の負担は年々増加傾向にあります。物価が上昇して支出が膨らむ可能性もあるでしょう。

こうしたリスクも想定して、老後に向けた資産形成は早期に開始し「安心して老後を迎えられる」金額を準備したいものです。

参考資料

和田 直子