トランプ関税の影響を受けて、相場が不安定な日々が続いています。
新NISAやiDeCoなどの制度を活用して、投資を始めたばかりの投資初心者にとっては、毎日値動きを見て落ち着かない人もいるのではないでしょうか。
特に、資産評価額が下がっていくと、「ここで売ったほうが良いのではないか」など焦ってしまい、心身ともに疲れて投資を辞めてしまう人も出てくる時期です。
ですが、投資とは値動きをするもので、短期的に見ると大きな値動きなように感じても、長期的に見ると、意外と目標額に達成することも少なくありません。
このような相場が不安定な時期はどのようなことに気を付けて投資をすればよいのでしょうか。
そこで、投資においてはベテランともいえる富裕層が、相場が不安定な時にどのような投資をしているのか、彼らの投資ルールについてご紹介していきます。
今回は、富裕層の現状についてデータで探るとともに、筆者がこれまで富裕層の方々と接してきた中で感じた、彼らが大事にしている投資ルールについてもお伝えしていきます。
1. 日本に「富裕層」はどのくらいいるのか、「富裕層とは何か」を知る
まずは、野村総合研究所(NRI)が2023年3月に発表した資料をもとに、「富裕層とは何か」について定義をみていきましょう。
1.1 純金融資産の計算式
世帯の保有する金融資産(預貯金・株式・債券・投資信託・保険など)の合計額からローンなど負債を差し引くと「純金融資産保有額」を割り出すことができます。
純金融資産=金融資産(預貯金・株式・債券・投資信託・保険など合計金額)ー負債(ローンなどの合計金額)
この純金融資産保有額をベースに総世帯を5段階にランク付けしたものがマーケットの分類になります。5つの階層の定義と、各層における世帯数・保有資産は以下のとおりです。