公的年金の支給日は、偶数月の15日。15日が土日・祝日の場合は直前の平日に前倒しされます。そのため、4月15日の次の支給日は、「6月13日(金曜日)」です。

2025年度の年金は、6月に支給される「4・5月分」から前年より1.9%の引き上げが決まっています。ただし、実際の受給額は現役時代の年金加入状況により個人差が出るものです。

今回は、厚生労働省の一次資料をもとに、国民年金・厚生年金の年金月額について見ていきます。公的年金のしくみの基本にも触れていきたいと思います。

1. 【年金月額】国民年金だけなら平均約5.8万円

2024年12月、厚生労働省が発表した「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、国民年金(老齢基礎年金)の年金月額は平均5万7584円です。

会社員や公務員など、民間企業や官公庁などで厚生年金保険に加入して働いていた人は、この国民年金に上乗せして厚生年金を受け取ります。

次では日本の年金制度のしくみについて、簡単に整理しておきましょう。

2. 【厚生年金・国民年金】日本の年金制度は2階建て

日本の公的年金制度は「国民皆年金」。そしてそのしくみは「2階建て構造」などと表現されますね。

これは、国内に住む20歳以上の全員が原則として加入対象となる「国民年金」と、会社員や公務員などが国民年金に上乗せ加入する「厚生年金」から成り立つためです。

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出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」をもとに、LIMO編集部作成

出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」をもとに、LIMO編集部作成

国民年金のみに加入している人(自営業者などの第1号被保険者)は、毎月の年金保険料を自分で納付します。

厚生年金や共済年金に加入している人(会社員や公務員などの第2号被保険者)は、毎月の年金保険料を会社と折半で負担し、保険料は毎月の給与から天引きされます。

専業主婦(主夫)など、第2号被保険者に扶養されている配偶者(第3号被保険者)は、個人で年金保険料を負担する必要はありません。

受給要件を満たした場合、老後には全ての人が国民年金(老齢基礎年金)を、厚生年金などに加入していた人は、それに加えて老齢厚生年金を受け取ることができます。

このように、公的年金制度は、基本的に日本国内に住む20歳から60歳の全ての人が保険料を納め、その保険料を高齢者などへ年金として給付する仕組みとなっています。

3. 2025年度の《基礎年金・厚生年金》3年連続の引き上げ。6月支給分から増える!

公的年金の年金額は、物価や現役世代の賃金を考慮して、年度ごとに見直しがおこなわれます。冒頭でも少し触れた、2025年度の改定内容を見ていきましょう。

3.1 《国民年金(老齢基礎年金)》

  • 6万9308円(1人分)

3.2 《厚生年金》

  • 23万2784円(※夫婦2人分のモデル年金額)

※平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45.5万円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準

ちなみに2024年度の厚生年金のモデル年金額は、22万8372円でした。前年より1.9%、金額にして4412 円の引き上げとなりましたが、昨今の物価上昇を踏まえると、実質的には目減りとなっています。

上記で紹介した厚生年金の月額は、あくまでも標準的とされる夫婦世帯が受け取る「モデル年金」です。実際の受給額は、厚生年金加入期間や、その期間の収入により個人差が出ます。

そこで次では、今のシニア世代が、一人あたりどの程度厚生年金を受け取れているかを見ていきます。

4. 厚生年金をもらえる場合は「約14.6万円」

ここからは、厚生年金の年金月額についても見ていきます。

なお、厚生年金の被保険者は第1号~第4号に区分されており(※)、ここでは民間企業などに勤めていた人が受け取る「厚生年金保険(第1号)」(以下記事内では「厚生年金」と表記)の年金月額を紹介します。

また記事内で紹介する厚生年金保険(第1号)の年金月額には国民年金の月額部分も含まれています。

厚生労働省「令和5年度厚生年金・国民年金事業の概況」によると、厚生年金の平均受給額は下記のとおりです。

※厚生年金の被保険者区分
第1号:下記第2号~第4号以外の、民間の事業所に使用される人
第2号:国家公務員共済組合の組合員
第3号:地方公務員共済組合の組合員
第4号:私立学校教職員共済制度の加入者

4.1 【男女全体】厚生年金の年金月額:平均14万6429円

※国民年金の月額を含む

厚生年金の平均年金月額は、男女全体で14万6429円です。男女差にも着目してみましょう。

4.2 【男女別】厚生年金の平均年金月額

  • 〈男性〉平均年金月額:16万6606円
  • 〈女性〉平均年金月額:10万7200円

厚生年金の年金月額は、男女で約6万円の開きがあります。

また、厚生年金を受け取る男性どうし、女性どうしの間でも個人差が大きいことも分かります。1万円未満の低年金となる人から、30万円以上の高額受給者となる人までさまざまです。

これは、現役時代に報酬(給与・賞与)に応じて納付した厚生年金保険料と、厚生年金加入期間などにより受給額が決まるしくみがとられているからです。

5. まとめにかえて

今回は今のシニア世代の年金事情を眺めてきました。現役時代の働き方や収入は、遠い老後の年金額に反映されます。

まずは自分が受け取れる年金受給額について「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認してみましょう。

6. 【ご参考】厚生年金《年齢別》平均年金月額(60歳~90歳以上)

厚生年金の平均年金月額《1歳刻み&全体》6/7

厚生年金の平均年金月額《1歳刻み&全体》

出所:厚生労働省「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

60歳~90歳以上(1歳刻み)

  • 60歳:9万6492円
  • 61歳:10万317円
  • 62歳:6万3244円
  • 63歳:6万5313円
  • 64歳:8万1700円
  • 65歳:14万5876円
  • 66歳:14万8285円
  • 67歳:14万9205円
  • 68歳:14万7862円
  • 69歳:14万5960円
  • 70歳:14万4773円
  • 71歳:14万3521円
  • 72歳:14万2248円
  • 73歳:14万4251円
  • 74歳:14万7684円
  • 75歳:14万7455円
  • 76歳:14万7152円
  • 77歳:14万7070円
  • 78歳:14万9232円
  • 79歳:14万9883円
  • 80歳:15万1580円
  • 81歳:15万3834円
  • 82歳:15万6103円
  • 83歳:15万8631円
  • 84歳:16万59円
  • 85歳:16万1684円
  • 86歳:16万1870円
  • 87歳:16万2514円
  • 88歳:16万3198円
  • 89歳:16万2841円
  • 90歳以上:16万721円

60歳~90歳以上の全受給者

  • 全体平均:14万6429円
  • 男性平均:16万6606円
  • 女性平均:10万7200円

7. 【ご参考】国民年金《年齢別》平均年金月額(60歳~90歳以上)

国民年金の平均年金月額7/7

国民年金の平均年金月額

出所:厚生労働省「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

60歳~90歳以上(1歳刻み)

  • 60歳:4万3638円
  • 61歳:4万4663円
  • 62歳:4万3477円
  • 63歳:4万5035円
  • 64歳:4万6053円
  • 65歳:5万9599円
  • 66歳:5万9510円
  • 67歳:5万9475円
  • 68歳:5万9194円
  • 69歳:5万8972円
  • 70歳:5万8956円
  • 71歳:5万8569円
  • 72歳:5万8429円
  • 73歳:5万8220円
  • 74歳:5万8070円
  • 75歳:5万7973円
  • 76歳:5万7774円
  • 77歳:5万7561円
  • 78歳:5万7119円
  • 79歳:5万7078円
  • 80歳:5万6736円
  • 81歳:5万6487円
  • 82歳:5万6351円
  • 83歳:5万8112円
  • 84歳:5万7879円
  • 85歳:5万7693円
  • 86歳:5万7685円
  • 87歳:5万7244円
  • 88歳:5万7076円
  • 89歳:5万6796円
  • 90歳以上:5万3621円

60歳~90歳以上の全受給者

参考資料

吉沢 良子