6. 老齢年金の受け取り時期は自分で選べる
老齢年金の受給は原則として65歳ですが、「繰上げ」「繰下げ」により、60歳~75歳の範囲で選択できることをご存じでしょうか。
6.1 繰上げ受給とは?
繰上げ受給とは、65歳よりも早く年金を受け取り始める制度のことです。繰上げ受給を選択した場合、年金額は繰上げ時期に応じて減額されます。
60歳で定年退職した場合、65歳の年金受給開始まで無収入となります。この期間を過ごすだけの資産がない場合などには、早くから年金を受け取りたいというニーズに応えられます。
ただし、繰り上げ請求をした時点に応じて、年金額が減額されます。この減額率は一生涯変わらないため、長期的に見ると受け取る年金の総額が少なくなる可能性もあります。
6.2 繰下げ受給とは?
反対に、受け取りを66歳以降に受給を遅らせることで年金額を増額させる制度が、繰下げ受給制度です。
長生きする可能性が高い人の場合、将来の年金額を増やしたいからと選択することがあります。
しかし、当然ながら受給開始年齢を遅らせる分、年金を受け取れない期間が発生します。その間の生活費をどのように確保するか、貯蓄や他の収入源など、しっかりとした計画を立てる必要があります。
年金受給開始時期の決定は、ご自身の健康状態や家計などを総合的に考えて、慎重に行いましょう。