受給できる公的年金をできるだけ増やせば、老後生活の経済的不安を軽減できます。保険料を納めるのは当然として、可能な範囲で繰下げ受給を選択することにより、受け取れる年金額を増やせます。
繰下げ受給を選択するためには、できるだけ長く働いたり資産を取り崩したりして、年金を受給するまでの生活費をカバーしなければなりません。
今回は、公的年金額の目安や繰下げ受給をするメリットなどを解説します。
1. 国民年金の受給額を年齢別に確認
国民年金は、公的年金制度の一階部分にあたる基礎年金です。まずは、1歳刻みで国民年金の平均受給額を見ていきましょう。
1.1 60歳代
- 60歳:4万3638円
- 61歳:4万4663円
- 62歳:4万3477円
- 63歳:4万5035円
- 64歳:4万6053円
- 65歳:5万9599円
- 66歳:5万9510円
- 67歳:5万9475円
- 68歳:5万9194円
- 69歳:5万8972円
1.2 70歳代
- 70歳:5万8956円
- 71歳:5万8569円
- 72歳:5万8429円
- 73歳:5万8220円
- 74歳:5万8070円
- 75歳:5万7973円
- 76歳:5万7774円
- 77歳:5万7561円
- 78歳:5万7119円
- 79歳:5万7078円
1.3 80歳代
- 80歳:5万6736円
- 81歳:5万6487円
- 82歳:5万6351円
- 83歳:5万8112円
- 84歳:5万7879円
- 85歳:5万7693円
- 86歳:5万7685円
- 87歳:5万7244円
- 88歳:5万7076円
- 89歳:5万6796円
公的年金の支給額は毎年改定され、2025年度における満額の国民年金は6万9308円です。満額の国民年金を受給できたとしても、ゆとりのある生活を送るのは難しいでしょう。
2. 厚生年金の受給額を年齢別に確認
厚生年金保険に加入する人は、国民年金に加えて、二階部分である厚生年金を受給できます。1歳刻みで、厚生年金の平均受給額を見ていきましょう(国民年金部分を含む数字)。
2.1 60歳代
- 60歳:9万6492円
- 61歳:10万317円
- 62歳:6万3244円
- 63歳:6万5313円
- 64歳:8万1700円
- 65歳:14万5876円
- 66歳:14万8285円
- 67歳:14万9205円
- 68歳:14万7862円
- 69歳:14万5960円
2.2 70歳代
- 70歳:14万4773円
- 71歳:14万3521円
- 72歳:14万2248円
- 73歳:14万4251円
- 74歳:14万7684円
- 75歳:14万7455円
- 76歳:14万7152円
- 77歳:14万7070円
- 78歳:14万9232円
- 79歳:14万9883円
2.3 80歳代
- 80歳:15万1580円
- 81歳:15万3834円
- 82歳:15万6103円
- 83歳:15万8631円
- 84歳:16万59円
- 85歳:16万1684円
- 86歳:16万1870円
- 87歳:16万2514円
- 88歳:16万3198円
- 89歳:16万2841円
厚生年金額は、厚生年金への加入期間や保険料の納付実績に基づいて計算します。国民年金のような「満額」という概念はなく、加入期間が長く、加入期間中の収入が高い人(納付した保険料が多い)ほど、受け取れる金額は増えます。
3. 活用を検討したい公的年金の繰下げ受給
受け取れる年金額は、働き方や収入額によって異なります。現役世代の方は、これまでの年金制度の加入実績や今後の働き方などを鑑みて、自分はいくらの年金を受け取れるのかを確認しましょう。
年金制度に加入して保険料をきちんと納付するのは大前提として、受け取れる年金額を増やすために活用したいのが「繰下げ受給」です。
66歳以降での繰下げ受給を選択すると、繰下げた月数1カ月ごとに年金額が0.7%増額(年率8.4%)されます。現行制度においては最大75歳まで繰下げが可能で、この場合は65歳時点と比較して84%の増額が可能です。
できるだけ長く働いたり、計画的に貯蓄をしたりしてつなぎとなる老後資金を用意できれば、繰下げ受給は十分に可能でしょう。
繰下げ受給をするメリットは、増額された年金額が一生涯支給される点です。長寿化が進み何歳まで生きるかわからない不安がある中で、安定収入である年金を増額させることで得られる安心感は大きいでしょう。
年金の繰上げや繰下げをめぐって、「何歳から受け取るのが得か」が議論されることがあります。しかし、年金制度の本質は保険であり、そもそも何歳まで生きるのかは分からない以上、損得で考えるのは無意味です。
老後不安を軽減するうえでは、「できるだけ長く働く」「現役のころから計画的に貯蓄をする」「できるだけ年金を繰下げ受給する」というアプローチが有効でしょう。
4. まとめにかえて
自分が受け取れる年金額を把握し、もし「安心して老後生活を送れるか不安がある」という方は、繰下げ受給という選択肢を検討しましょう。
ただし、繰下げ受給を選択すると、その間は年金を受給できません。そもそも繰下げ受給を実現するためには、できるだけ長く働いたり、老後資金として取り崩すための資産を用意したりする必要があります。
現役世代の方は、早い段階から長く働くためのキャリア形成を考えたり、NISAやiDeCoを活用した資産形成に着手するとよいでしょう。






