生活保護は、日本国民が「健康で文化的な最低限度の生活」を送れない場合に、その生活を保障し、自立を支援するための公的扶助制度です。
近年の物価上昇を受け、生活保護に関連する特例加算の増額が検討されており、その一環として2025年10月から「生活扶助」が増額されることが決まりました。
本記事では、生活保護の基本的な仕組みと、2025年10月から予定されている増額の詳細について解説します。
1. 生活保護制度の一つ「生活扶助」とは?
生活保護は、以下の手段を活用しても「世帯全員」が最低限度の生活費を下回っている場合、生活保護世帯として認定され、支援を受けることができます。
- 資産の活用:預貯金や使用されていない土地・家屋など、必要に応じて資産を活用できるか
- 能力の活用:就労が可能かどうか
- 他の制度の活用:年金や手当など、他の社会保障制度からの支援を受けられるか
- 扶養義務者からの援助:親族などから援助を受けられるか
これらの方法を試しても、世帯収入が最低限度の生活費を満たさない場合、生活に必要な各種費用を補うための扶助が支給されます。
【生活保護の種類と内容】
- 生活扶助:日常生活に必要な費用(食費・被服費・光熱費など)
- 住宅扶助:アパートなどの家賃
- 教育扶助:義務教育を受けるために必要な学用品費
- 医療扶助:医療サービスの費用
- 介護扶助:介護サービスの費用
- 出産扶助:出産費用
- 生業扶助:就労に必要な技能の習得などにかかる費用
- 葬祭扶助:葬祭費用
なお、日常生活に必要な費用を補助する「生活扶助」は、2025年10月から2年間の期間で増額されることが決定しました。