3. 50歳代からでも間に合う貯蓄を増やすための方法
50歳からでも老後資金を準備するのに遅いということはありません。65歳から年金を受給開始するとしても、10年程の余裕があります。
そこで、50歳から貯蓄額を増やすための方法についてご紹介していきます。
3.1 固定費の見直しなど出費を減らす
貯蓄を増やすには、「貯める」ことだけが方法ではありません。無駄な出費を減らすことも効果的です。
日々の生活の中で、無駄遣いをしているところはないか確認しましょう。家計簿をつけている方はわかりやすいですが、つけていない方はクレジットカードの明細などで確認すると良いでしょう。
特に節約に効果的なのは、固定費の見直しです。固定費とは、家賃や通信費、保険料など毎月一定金額がかかる費用のことです。一度見直しを行えば、それ以降もずっと節約効果が続くため、生活費を効率よく抑えられます。
3.2 毎月定額を積立てる
毎月口座に振り込まれる給与から、一定金額を積立てる方法もおすすめです。先取り貯蓄ともいわれ、あらかじめ決めた金額が自動的に引き落とされるので、気づかないうちにまとまったお金が貯められます。
金額は、給与の20%が一般的な目安とされていますが、ご家庭の状況に合わせて無理のない金額に設定しましょう。
3.3 NISAを利用する
預貯金では利息が期待できないため、さらに効率よく資産形成したい方は、NISAを検討するのもひとつの方法です。一般的に、株式や投資信託などの投資で得た利益には20.315%の税金がかかります。しかし、NISA制度を利用した投資で得られた利益には税金がかからないというメリットがあります。
NISAは2024年1月から新制度がスタートしており、つみたて投資枠が年間120万円まで、成長投資枠が年間240万円までに拡大されています。非課税保有限度額は1800万円(うち成長投資枠は1200万円まで)で、非課税保有期間は無制限です。
つみたて投資枠と成長投資枠は併用可能なため、ご家庭の状況に合わせて活用しやすいです。
4. まとめにかえて
50歳代・2人以上世帯の貯蓄額は、平均値が1168万円ですが、実際の感覚に近いとされる中央値は250万円です。貯蓄なしの世帯も多く、老後のための資金はまだ十分に確保できていない世帯が多く見られます。
50歳代でも、今から始められる貯蓄方法はあります。まずは無駄な支出を減らし、家計に負担のない範囲で貯金や投資などで資産形成に取り組んでいきましょう。
参考資料
木内 菜穂子