公的年金受給額が一定基準に満たない方には、年金生活者支援給付金が支給されます。低所得の年金生活者にとって喜ばしい制度です。
しかし、対象となるのは一定の要件を満たす方のみであり、受給するには自分で申請する必要があります。
本記事では、年金生活者支援給付金の概要について確認するとともに、対象となる方の要件や手続き方法について解説します。
1. 年金生活者支援給付金制度とは
年金生活者支援給付金とは、公的年金の収入とその他所得の合計額が一定額以下の年金受給者に対し、公的年金に上乗せされる給付金のことです。
受給している基礎年金によって、支給される年金生活者支援給付金の種類が異なります。
なお、年金生活者支援給付金が支給されるかどうかは、世帯ごとではなく受給者ごとに判断されるため、夫婦ともに要件を満たす場合は、2人とも受給できます。
1.1 4月分から2.7%の引上げに
年金生活者支援給付金は、2025年4月分から、昨年度より2.7%の増額になります。具体的な金額は以下の通りです。
「老齢年金生活者支援給付金」は月額5450円、「障害年金生活者支援給付金」は1級が6813円、2級が5450円、「遺族年金生活者支援給付金」は5450円が受給額となります。
ただし、これらはあくまで基準額であり、保険料納付済期間などに応じて調整されます。
厚生労働省年金局が公表した「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、実際の平均支給額は以下の通りです。
令和6年度における老齢年金生活者支援給付金の基準額は5310円でしたが、実際の支給額は4014円だったため、1300円ほど少額になっています。
1.2 支給開始は6月支給分から
増額された年金生活者支援給付金が支給されるのは、6月支給分の年金からです。公的年金は、毎年偶数月の年6回、前月と前々月の分が振り込まれる仕組みとなっており、4月分の年金は5月分とまとめて6月に支給されます。
年金生活者支援給付金の支給対象となっている方は、6月支給分で増額されているかを確認できます。