現役世代の方は、厚生年金保険料や国民年金保険料を納付する義務があります。毎月、決して安いとはいえない保険料を払っている方も多いと思いますが、老後に公的年金を受給するためには必要なものといえます。
しかし、もし公的年金を受給する前に亡くなってしまったら、年金はどうなるのでしょうか。払った分がむだになってしまうのでしょうか。
本記事では、現在のシニア世代の年金平均受給額を確認するとともに、受給開始前に亡くなった場合、支給はどうなるのかについて解説していきます。
1. 厚生年金と国民年金の平均受給額は?
厚生労働省年金局が公表した「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金の平均受給額は14万6429円、国民年金は5万7584円です。
男女別に見ると、厚生年金は男性が16万6606円、女性が10万7200円となっており、男性の方が約6万円高額です。厚生年金は、現役時代の年収や厚生年金保険への加入期間などによって受給額が異なり、一般的に年収が高額な方が、また、加入期間が長い方が高額になります。
女性は、出産や育児、介護などで休業や退職をするケースがあり、男性よりも年収が低く加入期間が短い傾向があります。そのため、厚生年金も少なくなると考えられるでしょう。
一方、国民年金は男女間で大差がありません。国民年金は、保険料の納付月数によってのみ受給額が決まるため、男女間の差がつきにくいです。
このように、老後に年金を受給するには、現役時代に保険料を納める必要がありますが、もし年金を受給開始する前に亡くなってしまうとどうなるのでしょうか。次章で確認していきましょう。