5. 現役時代から知っておきたい「公的年金のしくみ」意外な盲点も?

今回は、65歳以上のリタイア世帯の家計収支と、今のシニア世代の老齢年金事情を眺めてきました。

今回ご紹介した家計収支や年金額データは、あくまでも平均値です。「自分の世帯はどうか」に置き換え、マネープランを作るヒントとしてみてください。

物価上昇に年金の増額改定が追い付かず、実質的な年金の目減りが進むこんにち。長生きリスクとインフレリスクを意識しながら、老後の生活設計を描いておきたいものです。

早いうちからの資産形成や、定年退職後の働き方、不労所得の確保などを進めていく心構えが求められていると言えそうです。

資産づくりをコツコツと進めていくと同時に、年金を始めとする「公的なお金」のしくみの理解も深めておけると良いですね。

5.1 《ご参考》【年金の意外な盲点】老齢年金からも《天引きされるお金》があった!

シニアの多くは、下記の税や社会保険料を老齢年金からの天引きで納めています。

年金から天引きされる税や社保が記載される「年金振込通知書」

年金から天引きされる税や社保が記載される「年金振込通知書」

出所:日本年金機構「年金振込通知書」

  • 介護保険料
  • 公的医療保険(国民健康保険・後期高齢者医療制度)の保険料
  • 個人住民税および森林環境税
  • 所得税および復興特別所得税

年金見込み額は「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認できますが、年金は「額面通りにはもらえない」点は意外な盲点かもしれません。

参考資料

吉沢 良子