4. 現役世代「20歳代〜50歳代」はどのくらい給与を貯蓄に回している?
最後に、金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」を元に、現役世代がどの程度給与を貯蓄に回しているのかを見ていきます。
公的年金の受給開始年齢が原則65歳であることをふまえ、ここでは20歳代から50歳代のデータを取り上げます。
調査結果によると、各年代における手取り収入からの貯蓄割合は以下のようになっています。
4.1 【単身世帯の手取り収入からの貯蓄割合の平均】
- 20歳代:18%
- 30歳代:17%
- 40歳代:14%
- 50歳代:14%
4.2 【二人以上世帯の手取り収入からの貯蓄割合の平均】
- 20歳代:14%
- 30歳代:14%
- 40歳代:12%
- 50歳代:12%
各年代の世帯状況に関わらず、手取り収入の中から貯蓄に回す割合は1割程度となっています。
上記をふまえ、老後の資金をしっかり準備したいと考える場合は、収入の15%を目標に貯金を始めると良いでしょう。
もし「貯蓄が続かない」という方は、収入が振り込まれた際に、あらかじめ一定額を貯金に回す「先取り貯金」が効果的です。
「先取り貯金」では、毎月一定額を確保することができ、残りの金額で生活を調整することで無駄な支出を抑える意識が高まります。
また、「先取り貯金」を自動化するために、銀行の積立サービスを活用するとより効率的です。
最初は10%から始め、徐々に12%、15%、18%に増やしていくことで、無理なく続けやすくなります。
5. 資産運用も活用しながら貯蓄を増やそう
本記事では、30歳代から70歳代の「二人以上世帯」と「単身世帯」の平均貯蓄額を紹介していきました。
年代別の平均貯蓄額や貯蓄割合を見ると、貯蓄が順調に進んでいる世帯と、そうでない世帯との格差が広がっていることがわかります。
老後資金を増やす方法として「資産運用」は効果的であり、特にNISA制度は、運用益に課税がされないため、より効率的に資産形成を行うことができます。
NISAは少額から始められる手軽さがあり、2024年1月から新NISAに改定されたことで、長期的な資産運用がしやすくなったため、資産を増やす手段としてNISAを活用することを検討してみるのも良いかもしれません。
参考資料
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」
- 厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」
和田 直子