3. 30歳代〜70歳代「貯蓄が全くない世帯」はどのくらいいる?

前章で示した調査結果からも明らかなように、各年代で貯蓄額に大きな差があり、「貯蓄ゼロ」の世帯も一定数存在しています。

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」によれば、単身世帯および二人以上世帯における「貯蓄ゼロ世帯」の割合は以下の通りです。

3.1 【単身世帯の貯蓄ゼロの割合】

  • 30歳代:34.0%
  • 40歳代:40.4%
  • 50歳代:38.3%
  • 60歳代:33.3%
  • 70歳代:26.7%

3.2 【二人以上世帯の貯蓄ゼロの割合】

  • 30歳代:28.4%
  • 40歳代:26.8%
  • 50歳代:27.4%
  • 60歳代:21.0%
  • 70歳代:19.2%

単身世帯、二人以上世帯ともに、各年代で貯蓄が全くない世帯が2割から4割存在していることがわかります。

年齢が上がるにつれて貯蓄ゼロの世帯割合は減少しますが、それでも60歳代や70歳代においては依然として2割から3割の世帯が貯金がないという現実があります。

厚生労働省の「2023年 国民生活基礎調査の概況」によると、年金のみで生活している世帯は41.7%にとどまり、約半数の世帯は年金だけでは生活が成り立たないという状況です。

このような実態を踏まえ、今後の老後生活に向けて、年金に頼らず資産を築くことがますます重要になってきています。

年金だけで生活費を賄えない世帯が過半数を占める中、早期から資産形成を意識することが、より一層必要になっていると言えるでしょう。

では、現役世代の方は、給与からどの程度を貯蓄に回しているのでしょうか。