年金生活者支援給付金の支給額は、物価変動率に応じて毎年4月に改定されます。
支援給付金受給中の人や受給予定の人の中には、「4月からいくら増えたの?」「支給要件は?」などの疑問を感じている人もいるでしょう。
本記事では、年金生活者支援給付金はいくら増えるかについて解説します。
支給要件も同時に解説しますので、年金受給者または受給予定の人は確認しておきましょう。
1. 年金生活者支援給付金とは
年金生活者支援給付金とは、収入の低い年金受給者の生活を支援するために設けられた給付金です。
老齢基礎年金や障害基礎年金、遺族基礎年金受給者に支給される年金に、上乗せする形で支給されます。
受給する基礎年金の種類によって支給額は異なります。
年金生活者支援給付金は2019年10月1日の消費税率10%への引上げと同時にスタートしました。消費税引上げ分を財源として給付金が支給されます。
2. 年金生活者支援給付金は2.7%増額
年金生活者支援給付金は、毎年4月に物価変動率に応じて改定されます。
公的年金と異なり、マクロ経済スライド(※)や賃金上昇率の影響は受けません。
※年金財政の安定化を図り年金の給付額の上昇を抑制するために、被保険者数の減少と平均余命の伸びを基に計算した一定割合のことです。
その結果、年金生活者支援給付金の2025年度の増額率は、公的年金の増額率(1.9%)より高い2.7%となります。各年金額の改定前後の金額(月額)は次の通りです。
2.1 2024年度の金額
老齢基礎年金:5310円
障害基礎年金1級:6638円
障害基礎年金2級:5310円
遺族基礎年金:5310円
2.2 2025年度の金額
老齢基礎年金:5450円
障害基礎年金1級:6813円
障害基礎年金2級:5450円
遺族基礎年金:5450円
※老齢基礎年金については、保険料の納付状況などによって支給額は異なります。表中の金額は、20歳から60歳までの40年間、国民年金保険料を漏れなく納付した場合の金額です。
各年金受給者の年金生活者支援給付金の支給額は原則同額ですが、障害基礎年金1級については公的年金と同様に、障害基礎年金2級の1.25倍となります。
各年金受給者とも、2025年4月より支給額は月150円程度アップします。
ここまで、年金生活者支援金の概要と2025年4月の支給額引上げについて解説しました。次章では、各年金受給者が給付金を受給できる要件について紹介します。
3. 年金生活者支援給付金の支給要件
年金生活者支援給付金の支給要件は、受給する基礎年金の種類によって異なります。それぞれの支給要件を解説します。
3.1 老齢基礎年金の受給者
老齢基礎年金の受給者についての支給要件は次の通りです。
- 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
- 同一世帯の全員が市町村民税非課税
- 前年の公的年金等の収入金額とその他の所得との合計額が一定金額以下
一定金額以下とは、原則「78万9300円以下」です。ただし、78万9300円を超え88万9300円以下の人にも、補足的支援給付金が支給されます。
※1:1956年4月1日以前生まれの人は78万7700円以下
※2:1956年4月1日以前生まれの人は78万7700円を超え88万7700円以下
(老齢基礎年金の受給者の給付金額)
障害基礎年金や遺族基礎年金の受給者に対する年金生活者支援給付金額は一律ですが、老齢基礎年金の受給者については、納付月数などによって給付金額が異なります。給付金額の計算方法は原則次の通りです。
給付金額=5450円×保険料納付済期間÷480月
20歳から60歳の40年間すべての保険料を納付した場合の支給額は5450円、30年間(360月)の場合は4088円(=5450円×360月÷480月)です。ただし、免除期間がある場合や補足的支援給付金の計算方法は異なります。
3.2 障害基礎年金の受給者
障害基礎年金の受給者についての支給要件は次の通りです。
- 障害基礎年金(1級または2級)の受給者
- 前年の所得が「472万1000円+扶養親族の数×38万円(※)」以下
※70歳以上の配偶者や老人扶養親族は48万円、特定扶養親族や16歳以上19歳未満の扶養親族は63万円で計算。
老齢基礎年金の受給者と異なり、家族の所得に関係なく受給できます。また、所得要件も緩和されています。
3.3 遺族基礎年金の受給者
遺族基礎年金の受給者についての支給要件は次の通りです。
- 遺族基礎年金の受給者
- 前年の所得が「472万1000円+扶養親族の数×38万円(※)」以下
※障害基礎年金の受給者と同様、扶養親族の種類によって金額は異なります。
所得要件は、障害基礎年金の受給者と同じです。
4. まとめにかえて
2025年4月より年金生活者支援給付金の支給額は2.7%アップします。障害基礎年金2級や遺族基礎年金の受給者などは、月額5310円から5450円(プラス140円)に変更です。
増額率は高めですが実額としてはあまり大きな金額ではありません。
注意すべき点は、年金生活者支援給付金は請求しないともらえないことです。支給要件を確認して、請求漏れのないように注意しましょう。


