2. 生活扶助が月額500円増える理由

生活扶助の特例加算が月額500円増額される理由は、物価上昇などの経済情勢を考慮したためです。昨年末には、福岡資麿厚生労働大臣が、以下のように発言しています。

生活扶助基準については、社会経済情勢等を総合的に勘案して見直しを行い、当面2年間、令和7年度から8年度ですが、臨時的・特例的な対応として、特例加算を月額1,500円とするとともに、加算を行ってもなお従前の基準額から減額となる世帯については、従前の基準額を保障することとしました。

以上、厚生労働省「福岡大臣会見概要(財務大臣折衝後)」より引用

物価上昇によるモノやサービスの価格高騰は、生活保護を受給する低所得世帯にも影響をおよぼしています。

実際、今年2月の消費者物価指数は2020年を100として110.8となっています。前年同月比で3.7%上昇と、物価の高まりが続いている状況です。

とくに数値の高い費目を見てみましょう。

  • 生鮮食品:138.0
  • 生鮮食品除く食品:121.6
  • 家具・家事用品:119.4
  • 光熱・水道:114.2

食品や家事用品、光熱・水道費など、私たちの生活と密接に関連する費目がとくに高くなっています。昨年よりも物価は確実に上昇しており、私たちの家計や生活に影響を与えているのです。

こうした状況から、生活保護は特例加算を月額500円上乗せし、物価上昇に対応しようとしています。ただし、これは2年間の限定的な措置です。措置を再延長するかどうかは、2年後の経済情勢によって変わってくるでしょう。

次章では、生活保護を受給する世帯数について解説します。