将来のためにお金を貯めたいと思っている方は多いと思います。ただ、昨今は低金利で預貯金だけではあまりメリットが感じられないのも事実。そこで今回は、投資初心者のために投資信託の種類や傾向をご紹介していきます。
そもそも「安全資産」「リスク資産」って何?
貯蓄というと、多くの方は「銀行等に預けたお金」をイメージするかもしれません。しかし総務省によると、貯蓄には以下のように様々なものが含まれます。
- 銀行等の金融機関にある預貯金
- 積立型の生命保険や個人年金など
- 株式、債券、投資信託などの有価証券
- 金融機関以外に預けたお金(社内預金や勤務先の共済組合等)
これらの貯蓄のうち、預貯金は価値が大きく変動しないため「安全資産」と言われています。
一方、株式などの有価証券は価値が大きく変動することがあるので「リスク資産」と呼ばれています。そして投資信託はリスク資産に分類されます。
リスクというとどうしてもマイナス方向のことばかり考えてしまいますが、資産価格が変動することをリスクと呼ぶので、将来的に大きな収益をもたらす可能性もある資産だということは頭に入れておいてください。
投資信託の運用メリットとその落とし穴
投資信託は運用上のメリットがある反面、落とし穴(デメリット)もあります。以下に主なメリットとデメリットをまとめました。
投資信託のメリット
- プロが資産運用の管理をしてくれる
- 分散投資が比較的しやすい
- 流動性が高い(簡単に売買できる)
投資信託のデメリット
- 購入手数料や信託報酬等のコストが発生する
- プロの運用であっても元本割れの可能性がある
- 値動きが小幅な設計になっているものは、大きく儲けるまでに時間がかかる場合がある
失敗体験から学ぶ対策
確かに、投資信託で失敗する人もいますが、失敗は成功の母ともいわれます。次に、失敗した人がその反省を今後に活かすために実行している対策を3つご紹介します。
- 手数料等のコストを削減するために、できるだけ購入(買付)手数料無料の投資信託(ノーロードファンド)や信託報酬が低い投資信託を選択する
- 資本市場が過熱しているときには無理な投資を控え、待つのも投資と考える
- パニック的な売りがあった場合にすぐ動けるよう、ある程度の資金(現預金)を確保しておく
長期投資を目指す初心者はバランス型投資信託から始めてみよう
バランス型投資信託とは、国内や海外の株式や債券などを分散して保有するタイプの投資信託です。バランス型投資信託には、以下のようなメリットとデメリットがあります。
バランス型投資信託のメリット
- 資産を分散させるため、株式だけの投資信託と比べて一般的にリスクを低く抑えることができる
- 信託報酬が比較的安い投資信託が多い
- 資産配分をあらかじめ決めることができる投資信託もあり、選択肢は多い
バランス型投資信託のデメリット
- 株式相場が好調な場合、資産全体に対する株式の比率が少ないなどの理由で上昇局面のチャンスを逃がすこともある
- 種類が多いため、どの資産配分を選んでよいのか分かりにくい
バランス型投資信託の選び方
バランス型投資信託は、運用会社が資産の配分方法を何パターンか用意してくれることが多いものです。ただし、パターンが市場の状況に合わなくなった場合にどうするのかを、事前に自分で決めておくことも必要でしょう。
たとえば、株式市場が大きく上昇していても、長期的・安定的に運用したいので債券の保有比率が高い投資信託でじっくり待つのか、それとも相場を見て株式保有比率の多い投資信託にシフトしていくかなどです。
中には柔軟かつ迅速に資産配分をしてくれるバランス型投資信託もありますし、迅速に資産配分を切り替えて資産を守りつつ、相場が上昇したときに利益を得られるようにする方針の投資信託もあります。肝心なのは、様々な状況を想像しながら、自分が納得できる投資信託を選ぶことです。
無理なく始めやすいとされるインデックス投資の魅力とは
インデックスに連動するように設計された投資信託等に投資することをインデックス投資といい、そうした投資信託をインデックスファンドといいます。インデックスとは市場指標や指数のことで、有名なものには日経平均株価、TOPIX、NYダウなどがあります。
インデックスファンドのメリットとデメリットは以下の通りです。
インデックスファンドのメリット
- 少ない資金で分散投資ができる
- 購入手数料等が比較的安い
- 多数の銘柄に投資するので個別銘柄の変動リスクを避けられる
インデックスファンドのデメリット
- 個別株式を数銘柄保有するのに比べてリターンが少ない
- パフォーマンスが相場そのものなので、投資をしている実感が薄い(本当はここから相場の勉強を始めるべきなのですが)
- インデックスといっても様々なので、どのインデックスがよいのかわかりにくい
インデックスファンドの始め方
1. 資産配分を考える
日本株、海外株、国債や外国債券、不動産などにどのくらいの割合で投資するかを事前に決めておきます。プライベートバンクなどが公開している富裕層向けの資産配分なども参考になるかもしれません。
2. 投資するインデックスを決める(日経平均かTOPIXか、それとも別のインデックスか)
日経平均やTOPIX以外にも複数のインデックスがあります。馴染みのある日経平均などを選ぶのもいいですが、残念ながら日本株は「循環株※」のため、長期で運用する場合は定期的にメンテナンス(売買)が必要です。長期でほったらかし投資をしたい場合には、グローバル株式の方がいいかもしれません。
※景気、金利、季節などによって周期的に変化をもたらす株
3. 商品を選ぶ
上記の1.と2.を満たす投資信託の中から、購入手数料や信託報酬などを見比べて選択します。
まとめにかえて
投資信託はリスク資産に分類されます。プラスになる可能性もあればマイナスになる可能性もある資産です。初心者の方はバランス型投資信託やインデックスファンドを組み合わせるなどして投資を検討してみるのはどうでしょうか。
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LIMO編集部