厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」によれば、65歳以上の者のいる世帯のうち、「単独世帯」 が855万3000世帯(高齢者世帯の51.6%)、「夫婦のみの世帯」が730万3000世帯(同44.1%)となっています。

なお、65歳以上の単独世帯のうち男性は35.6%、女性は64.4%。

平均寿命は女性の方が男性より長いため、独身の方だけでなく、既婚の方でも老後ひとりになる可能性は考えておきたいものです。

今回は「ひとりの老後」に視点をあてて、その生活基盤となるお金事情を見ていきます。

1. ひとりの老後「月の生活費」は平均いくら?厚生年金と国民年金の平均年金月額も紹介

おひとりさまの「老後の月の生活費」はどれくらいなのでしょうか?

想像しているだけではわかりにくいので、データをもとに老後の生活費を確認していきます。

また、老後の主な収入源となる年金の平均受給額もあわせて紹介します。

1.1 【最新】おひとりさまの月の収入と支出

総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」によると、おひとりさまの1ヶ月の支出は、65歳以上の人で16万1933円(非消費支出含む)です。

支出が多いと感じるかどうかは人によって異なりますが、実収入が13万4116円であることを考えると、普通に生活していたら毎月赤字になってしまうかもしれません。

仮に、毎月3万円の赤字だとすると、25年間で900万円ほど足りなくなる計算です。

1.2 厚生年金と国民年金の平均受給額は?

ここで、老後の主な収入源である厚生年金と国民年金の受給額を確認してみます。

厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」厚生年金の平均受給額(月額)は、以下の表のとおりです。

  • 〈全体〉平均年金月額:14万6429円
  • 〈男性〉平均年金月額:16万6606円
  • 〈女性〉平均年金月額:10万7200円

男性と女性では6万円ほどの差があるため、受給額については自分で確認する必要があります。

また、国民年金の平均受給額(月額)は、以下のような結果となりました。

  • 〈全体〉平均年金月額:5万7584円
  • 〈男性〉平均年金月額:5万9965円
  • 〈女性〉平均年金月額:5万5777円

こちらは厚生年金とは異なり、男女差がほとんどありません。

いずれにしても、加入期間や収入によって年金受給額は異なることを覚えておきましょう。

2. 【おひとりさまの貯蓄額】みんな年代別にいくら貯蓄している?

では、老後に備えて、ほかの人はどのくらい貯蓄しているのでしょうか?

金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](2024年)」によると、以下のような結果となりました。

老後に差しかかる60歳代で、一時期話題となった老後2000万円問題をクリアできているのは全体の22.9%です。

60歳代・単身世帯の金融資産保有額6/6

60歳代・単身世帯の金融資産保有額

出所:金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」をもとにLIMO編集部作成

ここで注目したいのは、2割の人がしっかりと老後に備えて貯蓄ができているのに対して、金融資産を保有していない人が全体の27.7%いることです。

つまり、老後資金をしっかり準備できている人とできなかった人が同じくらいの割合いることがわかります。

3. 老後資金を蓄えるための3ステップ

老後資金をしっかりと準備できていない人が一定数いることがわかりました。

そこで、将来困らないようにするために、老後資金を蓄えるための方法を3ステップで解説します。

3.1 STEP1.老後に必要なお金を計算する

まずは、老後に必要なお金の計算をしましょう。

老後2000万円必要だという意見は目安としてはわかりやすいですが、全員が該当するわけではありません。

生活スタイルによっては「1500万円で大丈夫そう」「3000万円必要だ」など人それぞれです。

老後にいくら必要なのかわかっていないのは、ゴールがわかっていないのと同じです。

まずは、ゴール(老後に必要なお金)を明確にしましょう。

3.2 STEP2.支出を見直す

老後に必要なお金がわかったら、支出を見直します。

支出にはいろいろありますが、毎月決まって支払いが発生する固定費から見直すことをおすすめします。

なかでも、金額が大きいものから見直すと、効率よく支出を削減できるでしょう。

支出の削減は、手元に残るお金を増やすことにつながります。

3.3 STEP3.収入を増やす

最後に、収入を増やすことも考えてください。

収入を増やす方法は、いくつかあります。

  • 転職する
  • 資格を取得する
  • 副業する
  • 資産運用するなど

どれか一つではなく、「資格を取得して転職する」「副業しながら資産運用もする」といった具合で、複数に取り組むのも効果的です。

また、資産運用は税制優遇措置を受けられるNISAやiDeCoの活用がおすすめです。

老後資金をしっかりと準備したい人は、できることから少しずつ取り組んでいきましょう。

参考資料