老後は悠々自適な生活を送りたい。そう考える方も多いでしょう。

しかし、シニアの就業率はどんどん増加しています。総務省「統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで-」によると、65歳以上の年齢階級別就業率は次のとおりです。

  • 65~69歳:52.0%
  • 70~74歳:34.0%
  • 75歳以上:11.4%

働く理由は世帯によってさまざまですが、「年金収入が少ないから」という世帯も多いです。

年金が少ない世帯は労働収入や貯蓄の取り崩しで補填が必要となるでしょう。

こうした世帯がもらえる可能性のある「給付金」を知っておくことも大切です。

2025年度は、基準額が2.5%もあがることに注目です。

1. 「年金生活者支援給付金」とは?3種類あります

「年金生活者支援給付金」とは、公的年金等の収入金額やその他の所得が一定基準に満たない人を対象にした給付金です。

老齢年金、障害年金、遺族年金のそれぞれの年金に給付金が設けられており、公的年金に上乗せして支給されるものです。

年金収入とその他の所得が一定基準を下回る方は、「年金生活者支援給付金」の対象となるかもしれません。要件を確認していきましょう。

年金生活者支援給付金は3種類

年金生活者支援給付金制度について

出所:厚生労働省「「年金生活者支援給付金制度」について」

1.1 「老齢年金生活者支援給付金」の支給要件

老齢年金生活者支援給付金の対象となるのは、下記の支給要件をすべて満たす方です。

  • 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
  • 同一世帯の全員が市町村民税非課税
  • 前年の公的年金等の収入金額(※1)とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれの方は88万9300円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は88万7700円以下(※2)

※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は除く
※2 昭和31年4月2日以後に生まれた方で78万9300円を超え88万9300円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で78万7700円を超え88万7700円以下である方には「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。

1.2 「障害年金生活者支援給付金」の支給要件

  • 障害基礎年金の受給者である
  • 前年の所得(※)が472万1000円以下である(扶養親族等の数に応じて増額される)

※ 障害年金等の非課税収入は除く

1.3 「遺族年金生活者支援給付金」の支給要件

  • 遺族基礎年金の受給者である
  • 前年の所得(※)が472万1000円以下である(扶養親族等の数に応じて増額される)

※ 遺族年金等の非課税収入は除く

いずれの年金生活者支援給付金も、前年の所得額が支給要件に関わることがわかりますね。

続いては、「年金生活者支援給付金」の給付額について目安を見てみましょう。