「30分の寝不足」が脳をダメにする科学的理由

カラダの「本当の力」を取り戻す

空軍パイロットを対象にしたNASAの研究(※4)では、1回40分の昼寝でパフォーマンスが34%改善し、注意力は100%の完全回復を見せるなど、睡眠負債のダメージを防ぐ効果が広く確認されています。

いまではグーグルやウーバーといった名だたる企業も昼寝を奨励しており、グーグルなどは「エナジーポッド」という専用の睡眠マシンまで導入しているほどです。

※4 Alertness management: strategic naps in operational settings(NCBI Pub Med)

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20分間の昼寝前に「コーヒーナップ」

近年では、昼寝のリフレッシュ効果を高める方法として、「コーヒーナップ」というテクニックも開発されています。やり方は簡単で、15~20分の昼寝の直前に1杯のコーヒーを飲むだけです。

疲れ気味の被験者に15分のコーヒーナップを試した実験(※5)では、普通に昼寝をしたグループよりもドライブシミュレーターの運転成績がアップ。日本で行われた実験(※6)でも、昼寝前に200mgのカフェイン錠を飲んだ学生は疲労感が減り、記憶力テストの成績も上がりました。

このような現象が起きるのは、カフェインが脳に達するまでに20分かかるからです。そのため、コーヒーを飲んでから20分後に目を覚ますと、昼寝のリフレッシュ作用にカフェインの刺激が組み合わされて相乗効果をもたらします。昼寝の効果を高めたい方は、試してみてください。

※5 Counteracting driver sleepiness: effects of napping, caffeine, and placebo.(NCBI Pub Med)
※6 The alerting effects of caffeine, bright light and face washing after a short daytime nap(ScienceDirect)

 

■ 鈴木 祐(すずき・ゆう)
サイエンスライター。1976年生まれ。慶應義塾大学SFC卒業後、出版社勤務を経て独立。10万本の科学論文の読破と600人以上の海外の学者や専門医への取材を重ね、現在はヘルスケアをテーマとした書籍や雑誌の執筆を手がける。自身のブログ「パレオな男」では心理、健康などに関する最新の知見を紹介し、月間100万PVを達成。ヘルスケア企業などを中心に、科学的なエビデンスの見分け方を伝える講演なども行う。

鈴木氏の著書:
最高の体調

鈴木 祐

参考記事

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新進気鋭のサイエンスライター。1976年生まれ、慶應義塾大学SFC卒業後、出版社勤務を経て独立。
10万本の科学論文の読破と600人を超える海外の学者や専門医へのインタビューを重ねながら、現在はヘルスケアや生産性向上をテーマとした書籍や雑誌の執筆を手がける。自身のブログ「パレオな男」で心理、健康、科学に関する最新の知見を紹介し続け、月間250万PVを達成。近年はヘルスケア企業などを中心に、科学的なエビデンスの見分け方などを伝える講演なども行っている。
著書に『最高の体調』(クロスメディア・パブリッシング)、『ヤバい集中力』(SBクリエイティブ)他多数。