年度末のこの時期は、「60歳を超えていつまで働くか」「どのような働き方をしようか」などと60歳以降の過ごし方に悩まれる方もいるでしょう。

総務省「統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで-」によれば、65歳以上の年齢階級別就業率は65~69歳52.0%、70~74歳は34.0%、75歳以上は11.4%といずれも過去最高となっています。

長く働く人が増えている一方で、「セカンドライフは好きなことをしてゆったり過ごしたい」「現役時代にできなかったことをしたい」など、働かない選択をしたい方もいると思います。

今回は60歳代の貯蓄と、老後の生活費・年金月額を見ながら、現代シニアの現状をみていきましょう。

1. 60歳代「貯蓄2000万円」はいくら?平均・中央値も

少し前には「老後2000万円」が話題となりましたが、数年間続く物価高の中で「2000万円で足りるのか」疑問を抱く方もいるでしょう。

今回は金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」より60歳代・二人以上世帯の貯蓄額について確認します。※貯蓄額には、日常的な出し入れ・引落しに備えている普通預金残高は含まれません。

60歳代・二人以上世帯の貯蓄割合

60歳代・二人以上世帯の貯蓄割合の円グラフ

出所:金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」をもとにLIMO編集部作成

1.1 60歳代の貯蓄額(平均・中央値)

  • 平均:2033万円
  • 中央値:650万
  • 貯蓄2000万円以上の割合:28.0%

60歳代以上の平均貯蓄額は約2000万円ですが、中央値は650万円。

2000万円以上保有している人は28.0%となっており、現代シニアであっても貯蓄2000万円以上保有していない世帯の方が多いものです。

物価高を考えるとまとまった貯蓄が老後ほしいものですが、早くからさまざまな面で対策が必要です。