7. 生活保護世帯の45.1%は「高齢者以外の世帯」
なお、住民税非課税世帯として、公的な支援が必要となるのは高齢者世帯だけではありません。
2025年3月5日に厚生労働省が公表した「被保護者調査」によると、2024年の生活保護の申請件数は25万5897件でした。2025年の25万5079件から818件(0.3%)プラスとなり、直近5年は右肩上がりの傾向が見られます。
また、2024年12月時点で生活保護を受けている世帯は164万3111世帯(※)。そのうち45.1%が、母子世帯や障害者・傷病者世帯などの「高齢者以外の世帯」です。
コロナ禍以降今回の「3万円給付金」のように、住民税非課税世帯を対象とする支援がしばしば実施されています。ただし住民税非課税世帯が対象となる支援はこの限りではありません。
国民健康保険料(応益割)の減額、介護保険料の減額、国民年金保険料の免除・納付猶予、幼児教育・保育の無償化、高等教育の修学支援新制度など住民税非課税世帯を対象とする支援はいくつかあります。
上記は必要となる一定期間活用できる制度です。自治体独自で実施されているものもあります。対象となる場合は活用していきましょう。
※保護停止中の世帯は含まれていません。
8. まとめ
ここまで、各自治体ごとに支給が進められている「1世帯あたり3万円の給付金」や「18歳以下の児童1人あたり2万円の加算」について解説しました。
2025年3月21日に公表された総務省の調査では、2025年2月分の消費者物価指数の総合指数は、前年同月と比べ3.7%上昇しています。
物価高騰が続いているため、給付金の支給により家計の負担が少しでも軽減することが期待できます。
ただし、今回ご紹介した「給付金」は一時的な支援となっています。
金融経済教育推進機構の調査によると、二人以上世帯における貯蓄100万円未満の割合は「60歳代:27.0%」「70歳代:26.2%」です。
高齢者世帯は住民税非課税世帯に該当しやすい傾向にあるため、現役時代のうちから「家計の状況に合った資産形成」について考えてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 内閣府特命担当⼤⾂(経済財政政策)「国⺠の安⼼・安全と持続的な成⻑に向けた総合経済対策」
- 川崎市「配偶者やその他親族からの暴力等を理由に避難している方へ(令和6年度川崎市物価高騰対策給付金)」
- 総務省「個人住民税」
- 札幌市「個人市民税」
- 国税庁 高齢者と税(年金と税)「年金収入の所得計算、所得控除の増額」
- 厚生労働省「令和5年国民生活基礎調査」
- 金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」
- 厚生労働省「生活保護の被保護者調査(令和6年12月分概数)の結果を公表します」
- 総務省「2020年基準 消費者物価指数 全国 2025年(令和7年)2月分(2025年3月21日公表)」
安達 さやか