筆者は普段、ファイナンシャルアドバイザーとして、様々な世代の方からお金に関する相談を受けています。

その中で最も多い相談内容は老後資金についてです。

多くの方が、「老後資金をいまから準備したほうがいいのか」、「ゆとりある生活をしていくために何をしていけばいいか」など漠然とした不安をお持ちのようです。

老後というと年金が収入のメインとなります。長く働き続ければ給与収入があるからお金の心配はないだろうという方も多くいらっしゃいますが、健康状態によっては働きたくても働けなくなる可能性もあります。

今回はこの年金についての概要や平均受給額について確認していきます。多くの方が不安に感じている老後資金について、年金があれば安心して暮らしていけるのかを考えていきましょう。

1. 【最新版】2025年度「国民年金」と「厚生年金」の支給額はいくら?

公的年金額は物価や現役世代の賃金を考慮して、年度ごとに見直されるルールです。2025年度の年金額は、前年より1.9%引き上げられることが決まっています(※)

※厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」2025年1月25日公表

1.1 【最新版】2025年度「国民年金」と「厚生年金」の年金額例

【最新版】2025年度「国民年金」と「厚生年金」の年金額例

2025年度最新の「国民年金」と「厚生年金」の年金額例

出所:厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」

厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」によると、モデル夫婦世帯(※1)は夫婦2人分で月額23万2784円。国民年金の満額(※2)は月額6万9308円です。

夫婦ともに国民年金(満額と仮定)を受け取る世帯の場合、2人分の合算額はひと月13万8616円となります。

では、改定された年金額となるのは、いつ支給される年金からでしょうか。

※1 男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45.5 万円)で 40 年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準
※2 国民年金保険料を全期間(480カ月)納付した場合に65歳以降で受給できる年金額