3月は飲料や食料品の値上げが目立ちましたね。2025年2月28日、帝国データバンクが発表した「「食品主要195社」価格改定動向調査2025年3月」によると、3月の値上げは2000品目を超えることがわかりました。4月以降も、夏にかけて値上げラッシュが続く見込みです。

支出ばかりが増えていく昨今、年金生活をおくるシニアの暮らしぶりはどのような状況にあるのでしょうか。

老後の生活スタイルは、既婚なのか未婚なのか、持ち家なのか賃貸なのか、何歳まで働くのかなど、要素が一つ変わればガラッと変わってきます。

今回は、65歳以上のすでにお仕事をリタイアしているおひとりさまにスポットを当てて、毎月の生活費や受け取っている年金の月額、貯蓄額などを開設していきたいと思います。

1. 【おひとりさま世帯】65歳以上・リタイア後の「月の生活費」はいくら?

まずは総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」を参考に、65歳以上で単身無職世帯の平均的な月の収支を確認していきましょう。

月の収入はいくら?

収入:13万4116円(うち社会保障給付:12万1629円)

まず、年金の受給額は約12万円近くとなりました。

しかし、現役時代の働き方や年金の加入状況によって、老後の年金額には大きな個人差が生じます。

「ねんきんネット」を利用すれば、年金受給予定額を24時間いつでも確認できるため、ご自身の年金額を一度確認してみることをおすすめします。

月の支出はいくら?

消費支出:14万9286円

  • 食料:4万2085円
  • 住居:1万2693円
  • 光熱・水道:1万4490円
  • 家具・家具用品:6596円
  • 被服及び履物:3385円
  • 保健医療:8640円
  • 交通・通信:1万4935円
  • 教育:15円
  • 教養娯楽:1万5492円
  • その他の消費支出:3万956円

・諸雑費:1万3409円
・交際費:1万6460円
・仕送り金:1059円

非消費支出:1万2647円

  • 直接税:6585円
  • 社会保険料:6001円

月の収支:▲2万7817円

支出については、税金や社会保険料などの非消費支出が約1万2000円ほどで、これらは基本的に年金から天引きされるため、残りの金額で生活をすることになります。

物価が高騰している現状で、おひとりさまの食費は約4万円です。

さらに、その他、住居費、光熱・水道、交通・通信などの支出も必要です。

上記を踏まえ計算すると、月々の赤字は約3万円となり、仮に老後が25年続くと仮定した場合、生活費の不足分だけで約900万円の貯蓄が必要になります。

また、もし賃貸であれば、住居費がさらにかかるため、支出は増加することを考慮する必要があります。