2025年3月17日に厚生労働省が公表した賃金構造基本統計調査によると、フルタイムで働く労働者の2024年の平均月給(残業代など除く)が33万円に上り、過去最高だったことがわかりました。
また、男女別では男性が36万3100円、女性が27万5300円で、男女間の格差は8万7800円と過去最少になったこともわかっています。男女の年収格差が縮まる一方で、年収の壁に悩む女性が多いのも事実です。
なぜ女性は働く上で年収の壁を意識することが多いのでしょうか。
そこで今回は、20~70代の平均年収や男女比の現状をもとに、なぜ働き控えが起きてしまうのかを探っていきましょう。
1. 【20~70歳代】平均年収はどれぐらいか
国税庁の「令和5年分 民間給与実態統計調査」から、20〜70歳代の平均年収を見ていきましょう。
上記調査より、男女別の各年代の平均年収をみてみると、男性は年代が上がるにつれて年収が上がっていくのですが、一方で女性は横ばいから緩やかに減少するとがわかります(【図表1】参照)。
男性の場合は、50歳代まで平均年収は上がり続け、55〜59歳でピークである「712万円」となります。社会に出てから安定的に増えるというのが特徴でしょう。
一方、女性の場合は、20歳代後半から50歳代まで平均年収が300万円台前半と横ばいな状態が続いており、最も高い平均年収でも25〜29歳で「353万円」となっています。
また、男性の場合は日本全体の平均年収に到達する人が、比較的若い世代でも多い傾向にありますが、女性の場合はハードルが高い現状がみてとれます。