3. マイナ免許証のデメリット
マイナ免許証を持つことで、以下の点には注意を払わなければなりません。
- レンタカーやカーシェアでは未対応の可能性がある更新の手続きは試験場などでしなければならない
- それぞれの有効期限の管理を徹底しなければならない
- マイナンバーカードを更新すると再度免許情報の一体化が必要になる
デメリットもおさえたうえで、マイナンバーカードと免許証を一体化するか決めましょう。
3.1 レンタカーやカーシェアでは未対応の可能性がある
マイナ免許証はこれからスタートするため、現時点では未対応のサービスも存在します。たとえば、レンタカーやカーシェアについては「現時点では従来の免許証のみで受け付ける」としている企業が多いようです。
今後の設備設計が整うまでは、従来の免許証を返却すると一時的にサービスを使えなくなる可能性があります。レンタカーやカーシェアを使う機会の多い人は、機能のみ一体化させて2枚持ちするか、従来の免許証を活用するとよいでしょう。
3.2 更新の手続きは試験場などでしなければならない
マイナ免許証があれば、運転免許証の更新時講習はオンラインで受講できます。しかし、運転免許証は更新時講習を受けただけでは更新できません。視力検査や写真撮影といった手続きは、これまでと同様に試験場などでする必要があります。
更新時講習を受けたからといって免許証の有効期限を過ぎてしまうと、免許が失効してしまいます。講習の受講後は忘れずに試験場などで更新手続きを済ませましょう。
3.3 それぞれの有効期限の管理を徹底しなければならない
マイナンバーカードと運転免許証の有効期限は異なります。機能を一体化させたとしても、有効期限や更新時期が同じ日に設定されるわけではありません。
それぞれの有効期限をあらためて振り返りましょう。
- マイナンバーカード:10年
- 電子証明書:5年
- 運転免許証:取得後5年未満の人や違反運転者は3年、一般・優良は5年
いずれも自治体や都道府県公安委員会から更新案内の通知が送付されるため、郵便を確実に受け取ったうえで忘れずに更新しましょう。
3.4 マイナンバーカードを更新すると再度免許情報の一体化が必要になる
マイナンバーカードは前述のとおり期限を迎える前に更新が必要です。しかし、現行のマイナンバーカードのシステムでは、カードを更新しても紐付けた免許情報が引き継がれないようになっています。そのため、更新後は再度免許情報の一体化が必要です。
更新したマイナンバーカードには免許情報がないため、警察署で再度一体化の手続きが完了するまでの間に運転すると、免許不携帯の交通違反とみなされます。
現在、国ではマイナンバーカード更新時に免許情報が引き継がれるようシステムを開発しているようですが、いつ頃から改善されるのかは不透明な状況です。
間もなくマイナンバーカードの更新を控えている人は、免許証の返却は慎重に検討したほうがよいでしょう。
4. まとめ
マイナンバーカードと運転免許証の一体化には、さまざまなメリット・デメリットがあります。更新時講習や情報変更に関する手間が省ける点はメリットですが、場合によっては余計な手間がかかる可能性もあります。
自分の生活スタイルやマイナンバーカードの利用頻度に応じて、様子を見ながら一体化するかどうか決めていくとよいでしょう。
参考資料
- 厚生労働省「マイナンバーカードの健康保険証利用について」
- 警視庁「マイナンバーカードと運転免許証の一体化について」
- 警察庁「令和4年改正道路交通法(マイナンバーカードと運転免許証の一体化・オンライン更新時講習)」
- 北海道警察「オンライン更新時講習(優良運転者及び一般運転者)モデル事業の実施について」
- 警視庁「マイナ免許証に伴う手数料改定」
- マイナンバーカード総合サイト「更新手続きについて」
- 日本自動車連盟「[Q]運転免許証の有効期間と更新手続きについて教えて」
- 松山市「令和7年3月24日〜マイナンバーカードと‘‘運転免許証’’が一体化に」
石上 ユウキ