厚生労働省が2025年3月18日に公表した令和6年賃金構造基本統計調査によると、フルタイムで働く労働者の2024年の月給平均は、前年比3.8%増の33万400円であることがわかりました。調査を開始した1976年以降、過去最高となったようです。

月給平均が増加していることで、世帯の資産額も増えているのではないかと思う人もいることでしょう。

全世帯の資産を調査した結果を見てみると、特に富裕層と呼ばれる純金融資産残高1億円以上の世帯が増えていることがわかりました。

今回は、富裕層と呼ばれる人たちの内訳や、筆者が富裕層の方々と接する中で気づいた、彼らの特徴的な行動や習慣についてご紹介します。

1. 日本に「富裕層」はどのくらいいるのか

まずは、野村総合研究所(NRI)が2023年3月に発表した資料をもとに、「富裕層とは何か」について定義をみていきましょう。

1.1 純金融資産の計算式

【写真1枚目/全5枚】純金融資産の計算式は知っておこう。2枚目以降では富裕層の分布図なども紹介

計算機とお金の写真

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世帯の保有する金融資産(預貯金・株式・債券・投資信託・保険など)の合計額からローンなど負債を差し引くと「純金融資産保有額」を割り出すことができます。

純金融資産=金融資産(預貯金・株式・債券・投資信託・保険など合計金額)ー負債(ローンなどの合計金額)

この純金融資産保有額をベースに総世帯を5段階にランク付けしたものがマーケットの分類になります。5つの階層の定義と、各層における世帯数・保有資産は以下のとおりです。