シニアが受け取る年金は、物価や賃金の変動に応じて毎年改定されています。今年の1月に発表された「令和7年度の年金額」は、3年連続で上昇し、前年度より1.9％引き上げられました。
受け取れる年金が上昇するのは嬉しいことですが、昨今の物価や賃金上昇などと同程度に引き上げられているかと言えば、そうとも言えないのが難しいところです。
そこで今回の記事では、2025年度の年金額について、実際にどのくらい増えて、いくらもらえるのかについて確認します。記事の後半では、働き方に応じた国民年金や厚生年金の受給額例もお伝えしますので、さっそくみていきましょう。
1. 令和7年度の年金は1.9%増！いくらもらえる？
令和7年度の年金額は、前年度から増えて1.9％の引き上げになります。引き上げは令和5年度より3年連続です。
【令和7年度の年金額（月額）の例】
国民年金： 6万9308 円 （令和6年度より1308円アップ）※1
厚生年金： 23万2784 円 （令和6年度より4412円アップ）※2
※1 1人分の老齢基礎年金（満額）
※2 夫婦2人分の老齢基礎年金（満額）と老齢厚生年金を含む標準的な年金額、とくに男性は平均的な収入（45.5万円※賞与含む月換算）で40年間就業した場合
年金額は物価の変動率や手取り賃金（名目）の変動率に応じて、毎年改定されています。つまり、物価や賃金の変動が年金額にも反映される仕組みなのですが、賃金や物価が上昇した場合、マクロ経済スライドによる調整がおこなわれます。
たとえば、令和7年度に関しては、手取り賃金の変動率からスライド調整率が引かれたものが改定率となっています。改定率はスライド調整率分だけ低くなるわけですから、本来の上昇が抑制されていることになります。
このような調整は、将来世代の年金水準を確保するためにおこなわれていますが、マクロ経済スライドに関しては、見直しや早期の終了も検討されているので、今後の議論に注目です。
