2025年の年金額は、今より1.9%の増額となります。
ただし、年金は2ヶ月ごとの支給かつ後払いである性質上、実際に支給額に反映されるのは2025年6月の振込分(4月5月分)からです。
「年金が増額されることもあるの?」と意外に思う方もいると思いますが、実は増額は3年連続です。
物価や現役世代の賃金に合わせる形で、毎年改定される年金額。
しかし、日本銀行による「生活意識に関するアンケート調査」(第100回<2024年12月調査>の結果では、暮らし向きとして「ゆとりがなくなってきた」の回答が57.1%にのぼっているという現実があります。
推移をみても「ゆとりが出てきた」の回答が減少しており、国民の暮らし向きは悪化していることがわかります。
日本の年金制度や年代別の平均受給額について確認していきましょう。
1. 厚生年金と国民年金が1.9%の引き上げ!増額は3年連続だが…
厚生労働省より、2025年度の年金額1.9%の引き上げとなることが公表されました。
1.1 2025年度の年金額
- 国民年金(老齢基礎年金(満額)):6万9308円(+1308円)
- 厚生年金:23万2784円(夫婦2人分)(+4412円)
※昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金の満額は月額6万9108円(対前年度比+1300円)
※厚生年金は「男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)」で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準
これで3年連続の増額となりますが、シニアの暮らしはよくなっているとも言い切れません。
その理由のひとつは、「マクロ経済スライド」にあると考えられます。「マクロ経済スライド」によって物価上昇率よりも年金上昇率が下回る構造にあるため、実質的には減額されているといえるのです。