1. 日経平均は反発し3万7000円台を回復

2025年3月14日の東京株式市場で、日経平均株価は、前日比263円07銭高の3万7053円10銭でした。4日ぶりに終値ベースで3万7000円台を回復しました。

トランプ米大統領が13日、欧州連合(EU)による米国のウイスキーへの50%の関税が撤廃されなければ、EU産ワインに200%の報復関税を課すと表明したことなどから、関税の応酬が長期化し、世界経済が後退するとの見方が広がりました。米国株は調整局面に入っています。先週までは東京市場でも売られる展開が続いていました。

一方で、日本株の個別銘柄は底堅い動きを見せています。アドバンテスト、東京エレクトロンなど半導体関連銘柄も買われました。米国防総省の国防次官に就任予定とされるエルブリッジ・コルビー氏が日本の防衛費の低さに不満を示したことから、三菱重工業など防衛関連銘柄も買われました。

今週、日経平均はどのような動きになるでしょうか。14日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、前日比674ドル62セント高の4万1488ドル19セントで終えています。14日夜に執行する米連邦政府のつなぎ予算を延長する法案にトランプ氏が署名しました。政府機関の閉鎖などがひとまず回避されました。ダウ平均は前日までの4営業日で2000ドル近く下げていたことから押し目買いも入りやすい局面でした。

米株高を受けて、日本株も週初から底堅い展開になることが期待されます。ただ、中長期的に見ると楽観はできません。トランプ政権の関税政策がさらに強化されそうです。4月に自動車に25%程度の関税を課す計画が示されました。ここでは日本を対象から除外しないと見られており、日本の自動車関連企業の業績にも影響が出そうです。

トランプ政権の関税の強化に、中国や欧州、カナダなどでは報復関税の動きも出ています。関税の応酬が続くことで世界経済減速が懸念されます。

地政学リスクも高まりつつあります。トランプ氏は15日、親イラン武装組織フーシへの大規模な武力攻撃を米軍に命令しました。イエメンの首都サヌアなどで空爆が行われており、民間人に死者が出たとの報道もあります。フーシ派はこれを受けて、米軍艦やイスラエル船を攻撃すると報復を宣言しました。

今週は18日~19日に日銀政策委・金融政策決定会合、同じく18日~19日に米連邦公開市場委員会(FOMC)も開かれます。為替相場が大きく振られることも予想されますので注意が必要です。

トランプ政権の関税の強化に、中国や欧州、カナダなどでは報復関税の動きも出ています。関税の応酬が続くことで世界経済減速が懸念されます。

日経平均株価

Andrew Angelov/shutterstock.com