老後の年金、実際にいくらもらえるのか…漠然と不安を感じている人も多いのではないでしょうか。
「将来は年金がもらえなくなるかも…」という声もよく聞かれますが、じつは日本の年金制度は、2004年から導入された「マクロ経済スライド」や、5年ごとの「財政検証」といった仕組みによって、持続可能性を保つよう設計されています。
制度としてすぐに破綻することは考えにくいものの、物価上昇の影響などで、実際に受け取る年金額は少しずつ目減りしていく可能性があるのも事実です。
こうした背景から、公的年金に加えて「確定拠出年金」などの私的年金制度をどう活用するかも、これからの生活設計で大切なポイントになってきます。
そこでこの記事では、2025年度時点での60〜90代の平均的な年金受給額のデータをもとに、実際にどのくらい年金を受け取れるのかを確認していきます。
あわせて、公的年金制度の仕組みも改めてわかりやすく整理してみましょう。
1. 【老齢年金】2025年度は1.9%増額「モデル夫婦は23万2784円」国民年金のみの夫婦はいくら?
公的年金額は物価や賃金を考慮して、年度ごとに見直しがおこなわれます。
2025年度は前年より1.9%の引き上げが公表されており、モデル夫婦世帯(※1)は月額23万2784円。国民年金の満額(※2)は月額6万9308円です。
夫婦ともに国民年金のみ(満額と仮定)を受給する世帯の場合、2人分の合算額は13万8616円となります。
※1 男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45.5 万円)で 40 年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準
※2 国民年金保険料を全期間(480カ月)納付した場合に65歳以降で受給できる年金額
2. 年金額が増額されるのは「6月支給分から」
年金支給日は「2カ月に一度、偶数月の15日」に、前月分までの2カ月分が合算されて支給されるサイクルです。15日が土日・祝日の場合は直前の平日に前倒しとなります。
今回の改定率が適用されるのは、6月13日(金)に支給される「4月分の年金」からです。2025年の年金支給日カレンダーも見ておきましょう。
2.1 【一覧表】2025年 年金支給日カレンダー:4月分の年金が振り込まれるのは「6月」
【一覧表】2025年 年金支給日カレンダー
出所:日本年金機構「年金はいつ支払われますか。」などをもとにLIMO編集部作成
年金支給日:支給対象月
- 2025年4月15日(火) :2月・3月分
- 2025年6月13日(金) :4月・5月分
- 2025年8月15日(金) :6月・7月分
- 2025年10月15日(水) :8月・9月分
- 2025年12月15日(月) :10月・11月分
次では公的年金(国民年金と厚生年金)のしくみの基本をおさらいします。