6. 支援が必要なのはシニアだけではない。生活保護世帯の45.1%は「高齢者以外の世帯」
住民税非課税世帯となり、支援を必要としているのはシニア世代だけではありません。
厚生労働省が2025年3月5日に公表した「生活保護の被保護者調査」によると、2024年12月時点で生活保護を受けている世帯は164万3111世帯(※)です。
このうち高齢者世帯を除く世帯が45.1%を占めており、母子世帯3.8%、障害者・傷病者世帯計25.3%、その他の世帯16.0%の構成比となっています。
今回の給付金以外にも、国民健康保険料(応益割)の減額、介護保険料の減額、国民年金保険料の免除・納付猶予、幼児教育・保育の無償化、高等教育の修学支援新制度など住民税非課税世帯を対象とする支援はいくつかあります。
自治体独自でおこなう支援も含め、活用できるものは活用していきましょう。
※保護停止中の世帯は含まれていません。
7. 【豆知識】DVなどで避難している場合はどうすれば?
配偶者や親族からの暴力(DV)などの理由で、住所地以外の地域に避難中の場合でも、要件を満たせば、所定の手続きを行うことで給付金を受給できる可能性があります。
対象となる条件や必要な書類については各市区町村に確認してください。
また、多くの市区町村では給付金に便乗した「振り込め詐欺」や「個人情報の詐取」などへの注意喚起がなされています。国や市区町村(の職員)が
- 金融機関口座の暗証番号をたずねること
- ATMの操作を依頼すること
- 給付金支給のために手数料の振込を求めること
は絶対にありません。不審な電話、メール、郵送物、訪問などを受けた場合は、市区町村、最寄りの警察署や警察相談専用電話(#9110)になど連絡しましょう。
8. まとめ
今回の記事では、住民税非課税世帯向けの給付金制度について確認してきました。
こうした支援制度は、生活の下支えとしてとても大切な存在です。ただ、ずっと制度に頼り続けるのは難しいのも事実。だからこそ、「自分で備える力」も少しずつ身につけていくことが重要です。
最近では、NISAやiDeCoといった税制優遇制度を活用しながら、手元の資金を効率よく増やす選択肢も増えてきました。
もちろんリスクはあるものの、長期的な資産形成を考えるうえでは、うまく取り入れていきたいところです。
給付金や制度を上手に使いつつ、自力で生活基盤を整える。そんなバランスのとれたマネープランを意識していきたいですね。
参考資料
- 総務省「個人住民税」
- 札幌市「個人市民税」
- 国税庁 高齢者と税(年金と税)「年金収入の所得計算、所得控除の増額」
- 厚生労働省「令和5年国民生活基礎調査」
- 厚生労働省「生活保護の被保護者調査(令和6年12月分概数)の結果を公表します」
- 川崎市「配偶者やその他親族からの暴力等を理由に避難している方へ(令和6年度川崎市物価高騰対策給付金)」
川勝 隆登