住民税の滞納に時効はあるの? 滞納分はどうなるのか

副業やフリーランスなどの場合は要注意

住民税を滞納してしまったら?

会社員であれば、毎月のお給料から天引きされている住民税。給与天引きなら会社が代わりに住民税を自治体に納付してくれます。しかし、個人事業主やフリーランスの方、さらには会社員でも副業をやっていて、副業にかかる住民税については給与天引きを選択していない方。こうした場合については、住民税も自分で納付手続きを取らなければなりません。

個人納付の場合、毎年6月ごろに1年分の住民税の納付書が送られてきます。住民税の納付額は、前年の所得をベースに自治体が計算しますので、納付書を受け取って初めて納付金額を知るという方がほとんどかもしれません。

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そこで、納付金額を見て驚いてしまい、見なかったことにしようと思う方もいます。また、納付書は普通郵便で送られてきますので、その他の郵便物に紛れてそもそも封筒すら開けないという場合もあり得るでしょう。

放っておけば、そのうちうやむやになって終わるのでしょうか? そこは税金、友達にちょっとお金を借りてそのまま返していない、みたいに適当な感じでは済まないのです。住民税を滞納してしまっている場合、納付するように何とかやりくりしないといけません。もし、自分から納付せず滞納し続けていると、どのようになるのでしょうか?

税金の時効はほとんど成立しない

お金を取る権利には時効というものが存在します。税金も例外ではなく時効が存在します。住民税の時効は、納期限から5年間です。5年間待っていれば時効を迎えて、自治体も請求できなくなる。確かにその通りです。

しかし、時効については成立することはほとんどありません。なぜなら時効というのは、たとえば差し押さえを受けるなどするとリセットされてしまうからです。5年間あれば、たとえ引っ越していても、今どこに住んでいるかということを調べることは住民票を追っていけば簡単です。

差し押さえなどしなくても、単純に納付の督促を送るだけでも時効は一定期間成立しなくなるので、その間に差し押さえなどを行えば時効はリセットされます。

ちなみに、差し押さえになると、自宅にある換金価値のあるものを自治体に持っていかれたり、自分の預貯金口座の金額から税金を強制的に持っていかれたりといったことになります。さすがにそこまでしないだろうなんて思っている方もいるかもしれませんが、税金の滞納については容赦ありません。

就職後に会社に連絡がいくことも

たとえばフリーランスなどで確定申告していた人が会社に就職した場合などには、新たに給与天引きが始まります。会社は毎年1月になると、前年に会社から給料を支払った従業員について、各従業員が住んでいる自治体に給与の支払い額などを届け出ています。つまり自治体は、どの人がどの会社で働いているのかということを把握しているのです。

そうなると自治体は、もし住民税の滞納をしている人がいたらどのようにするでしょうか? そう、会社に連絡するのです。具体的には給与振込口座や直近の給与の状況などを回答するように会社に書面が行きます。そこで、給与口座がわかれば、あとはその口座を差し押さえたり、給与の一部を差し押さえたりします。

給与の一部が差し押さえられると、会社が差し押さえられた金額を給料から通常の住民税に上乗せして天引きすることになります。手取りが減ってしまうので、金額によってはかなり厳しい状況になるかもしれませんね。

結局、住民税に限らず税金は滞納しないことが一番なのですが、万が一滞納した場合も必ず課税先(住民税であれば自治体)に一言相談しましょう。払う意思があることを示すことが重要なのです。

渋田 貴正

参考記事

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渋田 貴正

税理士・司法書士・社会保険労務士

東京大学経済学部卒業後、大手食品メーカーや外資系専門商社にて財務・経理担当として勤務。
在職中に税理士、司法書士、社会保険労務士の資格を取得。2012年独立し、司法書士事務所開設。
2013年にV-Spiritsグループに合流し税理士登録。現在は、税理士・司法書士・社会保険労務士として、税務・人事労務全般の業務を行う。