3. 60〜64歳の平均年金月額

繰上げ受給をした60歳〜64歳の老齢年金の平均年金月額は以下のとおりです。

繰上げ受給の平均年金月額

繰上げ受給の平均年金月額

出所:厚生労働省「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに筆者作成

60歳

  • 平均年金月額(国民年金):4万3638円
  • 平均年金月額(厚生年金):9万6492円

61歳

  • 平均年金月額(国民年金):4万4663円
  • 平均年金月額(厚生年金):10万317円

62歳

  • 平均年金月額(国民年金):4万3477円
  • 平均年金月額(厚生年金):6万3244円

63歳

  • 平均年金月額(国民年金):4万5035円
  • 平均年金月額(厚生年金):6万5313円

64歳

  • 平均年金月額(国民年金):4万6053円
  • 平均年金月額(厚生年金):8万1700円

国民年金で4万円、厚生年金は6〜10万円となっています。国民年金の平均年金月額は5万7584円、厚生年金の平均年金月額は14万6429円のため、受給できる金額は平均より低めです。しかし、60歳から終身で安定的に支給を受けられるのは繰上げ受給の利点といえます。

老後への備えが完全にできないまま定年を迎えてしまう人や、資産が不十分で老後生活が不安な人は、ためらわずに繰上げ受給を申請するとよいでしょう。

4. まとめ

年金の繰上げ受給は、最短で60歳から生涯にわたって年金を受け取れる制度です。安定収入を早期に受け取り始めることで、老後の家計管理がしやすくなる可能性もあるでしょう。

一方、受給額をできる限り減らしたくない人は、65歳まで働き続けて給与を受け取るなど、毎月の収入の得方を検討しておく必要があります。

年金の繰上げ受給・繰下げ受給は、寿命なども考慮して決めなければなりません。自分が描く老後のライフプランにあわせて最適な手段を取りましょう。

参考資料

石上 ユウキ