3. 退職金や自助努力で築いた資産の一部は「介護・医療費」に
老後生活に備えるために、NISAやiDeCoを活用している方もいるのではないでしょうか。
「国民年金+厚生年金+退職金+預貯金」があれば、ある程度ゆとりをもって老後生活を送れるでしょう。
ただし、一般的に高齢になるほど医療費や介護費がかさみます。特に、介護費用は「そもそも発生するのか」「いつから発生するのか」が読めないため、厄介です。
そのため、国民年金と厚生年金は日常生活費に充て、退職金や預貯金は医療費・介護費のために別途プールしておくと安心です。プールしておく金額としては、500万円~600万円程度が目安となるでしょう。
退職金制度や企業年金制度がない方は、NISAやiDeCoを積極的に活用しましょう。いずれも非課税で運用できるメリットがあり、効率よく資産形成を進められる制度です。
NISAは、いつでも自由に運用資産を引き出せる柔軟性が魅力です。iDeCoは原則として60歳まで引き出せないものの、老後資金を着実に用意できるメリットがあります。
自身の年齢や今後のライフイベント、資産状況などに応じて、合っている制度を有効活用しましょう。
4. まとめにかえて
ライフスタイルによるものの、二人分の国民年金と厚生年金を受け取れれば、老後生活における日常生活費はおおむねカバーできるでしょう。
退職金や企業年金制度がある企業に勤務していれば、さらに上乗せとなる老後資金を用意できます。
夫婦が老後生活に備えるうえで「ダブルで厚生年金を受給する」ことは、効果的な対策です。
現役世代で専業主婦(夫)世帯の方は、パートでもよいので厚生年金に加入し、将来受け取れる年金を増やしていきましょう。
参考資料
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします~年金額は前年度から 1.9%の引上げです~」
- 総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要」
- 厚生労働省「共働き等世帯数の推移と第一子出産前後の妻の就業変化」
柴田 充輝