2025年3月10日に厚生労働省が公表した「毎月勤労統計調査 令和7年1月分結果速報 を公表します」によると、2025年1月に労働者が受け取った現金の給与総額は、前年同月と比べ2.8%増加していることがわかりました。

しかし、現金の給与総額は増加したものの、物価高などの影響で、実質賃金は3カ月ぶりのマイナスとなっています。

では、20歳代〜70歳代の平均年収はいくらなのでしょうか?

今回は、国税庁や厚生労働省による調査データをもとに、「20歳代〜70歳代の平均年収」について詳しく見ていきます。

家計を見直したり、将来に向けたキャリアップを検討したりする際に、ぜひ参考にご覧ください。

※金額等は執筆時点での情報にもとづいています。

1. 【20~70歳代】平均年収はいくら?

国税庁の「令和5年分 民間給与実態統計調査」から、20〜70歳代の平均年収を見ていきます。

上記調査より、男女別の各年代の平均年収をみてみると、男性は年代が上がるにつれて年収が上がっていくのですが、一方で女性は横ばいから緩やかに減少するとがわかります(【図表1】参照)。

【写真全7枚】年齢階層別・平均給与。以降で「雇用形態別・女性の年齢階級別就業率」をご紹介1/7

年齢階層別・平均給与

出所:国税庁「令和5年分 民間給与実態統計調査」

1.1 平均年収「全体平均」はいくら?男女別の平均年収もチェック!

平均年収「全体平均」はいくら?2/7

平均年収「全体平均」はいくら?

出所:RRice/shutterstock.com

  • 全体 460万円
  • 男性 569万円
  • 女性 316万円

男性の場合は、50歳代まで平均年収は上がり続け、55〜59歳でピークである「712万円」となります。

社会に出てから、安定的に増えるというのが特徴でしょう。

その一方で、女性の場合は、20歳代後半~50歳代までの「平均年収は300万円台前半」と横ばいな状態が続いており、もっとも高い平均年収でも25〜29歳で「353万円」となっています。

また、男性の場合は、日本全体の平均年収に到達する人が比較的若い世代でも多い傾向にありますが、女性の場合はハードルが高い現状がみてとれます。

2. なぜ女性の平均年収は低いのか?

「平均年収」は男女で大きく異なる傾向に3/7

「平均年収」は男女で大きく異なる傾向に

出所:Pickadook/shutterstock.com

年代が上がるにつれて、男女の年収に大きな差が生じています。

特に55〜59歳の平均年収では「男性が712万円」「女性が330万円」と、2倍以上も年収に違いがあるのがわかります。

では、なぜ男性よりも女性の平均年収が低くなってしまうのでしょうか。

男女の収入格差が生じている背景として、女性の場合は結婚や子育てなどをきっかけにキャリアが中断したり、「103万円の壁」というように世帯の課税を考慮して、仕事をセーブしていることが考えられます。

結果、「パートタイム」「アルバイト」といった正社員よりも短い時間帯で働く選択をする人が多いことが、要因の1つです。

2.1 雇用形態別・女性の年齢階級別就業率

実際に、厚生労働省の「第一子出産前後の妻の継続就業率・育児休業利用状況」を見てみると、女性の年齢階級別就業率は、30歳代前半からパート・アルバイトの割合が増加していることを確認できます。

【図表2】雇用形態別・女性の年齢階級別就業率4/7

雇用形態別・女性の年齢階級別就業率

出所:厚生労働省「今後の仕事と育児・介護の両立支援に関する研究会」

また、厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると正規雇用と非正規雇用とで賃金差が月10万円以上となっています。

一昔前よりも共働き世帯が増加していますが、女性の場合は正社員よりもパートで働く人のほうが多いことから、男女で収入に格差が生じているといえます。

3. 【男女別】年収ごとの割合は?

年収ごとの割合は?5/7

年収ごとの割合は?

出所:Hyejin Kang/shutterstock.com

最後に、年収ごとの割合を確認していきましょう。

国税庁の「令和5年分 民間給与実態統計調査」によると、男女における年収ごとの割合は下記の結果となりました。

【図表3】給与階級別給与所得者数・構成割合6/7

給与階級別給与所得者数・構成割合

出所:国税庁「令和5年分 民間給与実態統計調査」

男性の平均年収のボリュームゾーンは「300万円超600万円以下」であり、この部分の割合だけで46.4%と全体の約半数を占めています。

とはいえ男性の場合は、年収区分にあまり偏りがないのが特徴で、女性よりも幅広い年収区分の人が多いです。

一方で女性の平均年収帯は「200万円以下」を占める割合が全体の34.6%となっており、約3人に1人は年収が100万円台であるとうかがえます。

ここまでみてきたように、女性の場合は結婚や子育てなどをきっかけに正社員からパートに働き方を変える人が多く、その際に「扶養内で働く」という選択をする人が一定数います。

その結果として、年収帯「200万円以下」の割合が多くなっているのでしょう。

4. まとめにかえて

将来に向けた資産形成7/7

将来に向けた資産形成

出所:Lee Charlie/shutterstock.com

今回は、国税庁や厚生労働省による調査データをもとに、「20歳代〜70歳代の平均年収」について詳しく見ていきました。

物価の上昇により、日々の生活費に負担が生じ、老後資金の準備まで手が回らないというご家庭も多いのではないでしょうか。

実際のところ、2025年1月に労働者が受け取った現金の給与総額は、前年同月と比べ2.8%増加していますが、物価高などの影響で「実質賃金は3カ月ぶりのマイナス」となっています。

家計を見直したりキャリアアップを検討したりするなどして、物価高を踏まえた「生活費の確保」や「老後資金の準備」について対策を考えてみてはいかがでしょうか。

参考資料