6. 【老齢年金】シニア世代の「国民年金・厚生年金」平均額を一覧で見る
ここからは厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、国民年金と厚生年金(※)の受給額を「60歳~90歳以上の5歳刻みの平均月額」と、「すべての年齢の平均月額」に分けて見ていきます。
※厚生年金の被保険者は第1号~第4号に区分されており、ここでは民間企業などに勤めていた人が受け取る「厚生年金保険(第1号)」(以下記事内では「厚生年金」と表記)の年金月額を紹介します。
6.1 【一覧表】年齢階級別《国民年金・厚生年金》5歳刻みの平均はいくら?
国民年金
- 60~64歳:4万4836円
- 65~69歳:5万9331円
- 70~74歳:5万8421円
- 75~79歳:5万7580円
- 80~84歳:5万7045円
- 85~89歳:5万7336円
- 90歳以上:5万3621円
厚生年金
※国民年金部分を含む
- 60~64歳:7万5945円
- 65~69歳:14万7428円
- 70~74歳:14万4520円
- 75~79歳:14万7936円
- 80~84歳:15万5635円
- 85~89歳:16万2348円
- 90歳以上:16万721円
64歳までの年金額は、繰上げ受給中の人や、特別支給の老齢厚生年金を受給中の人の年金額となるため、65歳以上の年代と比べると低めです。
一般的な年金開始年齢である65歳以上の平均年金月額は、国民年金(老齢基礎年金)のみの受給権者は5万円台、厚生年金(国民年金部分を含む)の受給権者は14万円台~16万円台となります。
上記はいずれも「各年齢層」での平均額です。実際の受給額は現役時代の年金加入状況により個人差が出るため、上記は参考程度に見ておくと良いでしょう。
次では、60歳~90歳以上の全ての年齢層の受給権者で、平均月額を見ていきます。特に厚生年金では男女差・個人差に着目してみてください。
6.2 【一覧表】60歳~90歳以上《国民年金・厚生年金》全体・男女別の平均はいくら?
国民年金の平均月額
- 全体 5万7584円
- 男性 5万9965円
- 女性 5万5777円
厚生年金の平均月額
- 全体 14万6429円
- 男性 16万6606円
- 女性 10万7200円
国民年金のみの受給権者は、全体、男女別ともに平均月額は5万円台。満額受給の場合でも7万円弱(※)です。一定の要件を満たす場合、老齢年金生活者支援給付金の支給対象となります。
一方、厚生年金の受給権者の場合、平均月額は全体で14万円台でした。国民年金のみの受給権者と比較すると受給額は高めですが、男女別に見ると、男性は16万円台、女性は10万円台と大きな開きがあります。
厚生年金の個人差
また、厚生年金の受給額は個人差が大きいです。月額3万円未満から、25万円超まで、幅広い受給額帯に分布しています。
受給額しだいでは、厚生年金を受け取る場合でも老齢年金生活者支援給付金の支給対象となる可能性はあるでしょう。
7. まとめにかえて
ここまで年金生活者支援給付金について解説してきました。
年金生活者支援給付金はありがたい制度ですが、一時的な援助に過ぎません。したがって、現役世代の方々はこの給付金に頼りきりにならず、老後の資産形成について考えることが大切です。
老後の資産形成には、預貯金だけでなく、国が提供する税制優遇制度として、新NISAやiDeCoなども活用できます。まずは、自分自身でこれらの制度について詳しく調べてみると良いでしょう。
参考資料
- 厚生労働省「年金生活者支援給付金制度について」
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします~年金額は前年度から 1.9%の引上げです~」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省「生活設計と年金に関する世論調査(主な調査結果」
- 金融経済教育推進機構(J-FLEC)「家計の金融行動に関する世論調査 2024」
- 日本年金機構「老齢基礎年金を新規に請求される方の請求手続きの流れ」
- 日本年金機構「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が届いた方へ」
筒井 亮鳳