金融庁が2024年12月20日に公表したNISA口座の利用状況に関する調査結果によると、NISA口座数は2024年9月末時点で2500万口座を上回っています。2023年末時点から20.5%増加と、2024年から新NISAが始まってからも、NISA口座数は増加傾向にあることが分かります。
個人投資家の増加と同時に増えている存在が、富裕層なのだそうです。
資産形成の波に乗り、資産を伸ばすことに成功したことが理由の1つとも言われています。
そこで今回は、富裕層と呼ばれる人たちの内訳や、筆者が富裕層の方々と接する中で気づいた、彼らの特徴的な行動や習慣についてご紹介します。日々の意思決定や情報収集、そして人との関わり方など、身近な部分にも取り入れられる考え方があるかもしれません。
1. 日本に「富裕層」はどのくらいいるのか
まずは、野村総合研究所(NRI)が2023年3月に発表した資料をもとに、「富裕層とは何か」について定義をみていきましょう。
1.1 純金融資産の計算式
世帯の保有する金融資産(預貯金・株式・債券・投資信託・保険など)の合計額からローンなど負債を差し引くと「純金融資産保有額」を割り出すことができます。
純金融資産=金融資産(預貯金・株式・債券・投資信託・保険など合計金額)ー負債(ローンなどの合計金額)
この純金融資産保有額をベースに総世帯を5段階にランク付けしたものがマーケットの分類になります。5つの階層の定義と、各層における世帯数・保有資産は以下のとおりです。
1.2 マーケットの分類(世帯の純金融資産保有額)
超富裕層(5億円以上)
- 9.0万世帯/105兆円
富裕層(1億円以上5億円未満)
- 139.5万世帯/259兆円
準富裕層(5000万円以上1億円未満)
- 325.4万世帯/258兆円
アッパーマス層(3000万円以上5000万円未満)
- 726.3万世帯/332兆円
マス層(3000万円未満)
- 4213.2万世帯/678兆円
1.3 日本に純金融資産5000万円以上の世帯…準富裕層は何世帯いるのか
富裕層の仲間入り直前の純金融資産保有額が5000万円超の世帯である「準富裕層」は473万9000世帯です。
アッパーマス層から超富裕層までは合計で1200万2000世帯。全世帯から見るとやはり「マス層」の世帯が大部分を占めていることがわかります。
少数派の富裕層ですが、どのような共通点があるのか気になる人もいるのではないでしょうか。
次からは、元銀行員であった私が見てきた「富裕層の共通点」を振り返っていきたいと思います。
2. 富裕層の共通点その1:自分の不得意分野にも挑戦する
富裕層の多くが持っている特徴の一つに、「自分の不得意分野への挑戦」が挙げられます。
誰もが得意分野で成功を収めたいと思うものですが、富裕層はあえて苦手な分野や未経験の領域に足を踏み入れることで、新たな視点やスキルを獲得しています。特に、スポーツなどの趣味でそのような傾向が見られます。
自分が得意ではないからこそ挑戦し、心身を鍛えることができます。また、挑戦し成長していく過程を教育コンテンツとしてまとめ、ビジネスにいかす方もいました。
3. 富裕層の共通点その2:トレンドから学ぶ
富裕層が情報収集に敏感であることは、多くの成功者に共通する特徴の一つです。彼らは世の中のトレンドや経済の動きをただ観察するだけでなく、それを自分のビジネスや投資にどう生かせるかを常に考えています。
新聞や専門誌、オンラインメディアだけでなく、実際に現場を訪れたり、業界のトップと直接会話をするなど、実践的な方法で情報を取り入れるのも特徴です。
意外にも、一見ビジネスとは関係ないように見える、人気のアイドルや話題のレストランなどの情報にも詳しい方もいました。
広くトレンドをおさえることで時流をつかみ、新しいビジネスのアイディアにしているようです。「世の中の流れに学ぶ」という意識が、変化の早い社会において常に成果を出し続けられるコツなのかもしれません。
4. 富裕層の共通点その3:うまく人に頼る
富裕層の多くは、「自分で全てをこなそう」とは考えていません。むしろ、自分の得意分野に集中し、その他のことは信頼できる専門家に任せるという考え方を持っています。
たとえば、ビジネスでは自身で決断を行い、日常生活では、服選びや旅行の手配などをプロに委ねることで、自分の時間を有効に活用しています。
筆者がある富裕層の方に「なぜ自分で選ばないのですか?」と聞いたところ、「自分の強みを最大限に発揮するために、他のことは専門家に任せる」との答えが返ってきました。効率的に動くことで、時間とエネルギーを無駄にせず、より大きな成果を得ているのです。
5. まとめにかえて
日本の富裕層はどれくらいいるのか、その内訳をデータとともに見てきました。物価の上昇により消費支出が増える中、富裕層が増えていることは意外と感じる人も多いのではないでしょうか。
また、筆者が出会ってきた富裕層の共通点についてもご紹介しました。特に、自身の成長プロセスを教育コンテンツとして体系化する過程を見せていただいたときは、富裕層ならではの発想力に驚いたことを覚えています。
今回ご紹介した内容は、すべてを一度に取り入れるのは難しいかもしれません。
まずは自分の行動を少しずつ見直し、できることから取り入れてみるのも良いのではないでしょうか。




