4.2 背景2:資産形成機会の拡大
NISAやiDeCoといった税制優遇制度の普及も、富裕層の増加に大きな影響を与えています。
2024年からは、このNISA制度が「新しいNISA(通称・新NISA)」として改定され、より充実した非課税枠が設けられています。
こうした制度の拡充により、個人の資産形成に関わる機会が格段に増加しました。
これまで投資に興味がなかった層も、NISAなどの導入をきっかけに証券投資を始めるケースが増えています。
また、世界の株価が長期的に上昇していることから、早い段階で資産形成を始めた人は相応のリターンを得ていると考えられます。
4.3 背景3:相続や贈与
富裕層の中には、相続や贈与によって多額の資産を得た人も多くいます。
日本の高齢化が進む中で、親や祖父母から財産を受け継ぐケースが増え、それが富裕層の増加につながっていると考えられます。
このように、株式市場の好調や資産形成の環境整備、さらには人口構造の変化といった要素が複合的に影響し、富裕層の数が増えているのです。
中には本人の意思とは別に、結果的に富裕層の一員となった人もいるでしょう。
5. 資産運用は「焦らず、じっくり」見極めよう
今回は、「お金持ちの資産運用」に共通する特徴をご紹介しました。何か一つでも、参考になるヒントは見つかりましたでしょうか。
どのポイントも大切ですが、なかでも「情報収集」は特に重要です。これから資産運用を始めようとしている方や、なんとなく運用を始めたものの仕組みをまだよく理解できていないという方には、まずここから取り組むのがおすすめです。
資産運用には、基本的に元本保証がないという前提があります。つまり、利益が出る可能性がある一方で、損失が出るリスクもあるということです。運用方法は数多く存在しますが、その中から自分に合ったものを見つけるには、正確な情報をもとに冷静に判断する力が欠かせません。
焦らず、じっくり、自分のライフプランに合った形で、資産運用を味方につけていきましょう。
参考資料
奥田 朝