2025年1月24日に厚生労働省が「2025年度の年金額」を公表しました。前年度比で厚生年金と国民年金の受給額を1.9%増加するという内容です。
2025年度が最初に受け取れる年金支給日は、6月13日(4月分と5月分の支給)です。筆者の父も年金生活者のひとりですが、年金生活世帯にとっては嬉しい発表となりました。
とはいえ一体どれくらい増えるのか想像ができない方もいると思います。
今回は2025年度の年金額と、60歳~89歳までの厚生年金と国民年金の平均月額を5歳刻みで紹介していきます。現役世代の方は、老後生活を見据えていく上で参考にしてみてください。
1. 厚生労働省は2025年度(令和7年度)の年金額を前年度比1.9%増と公表
公的年金は賃金や物価を考慮して年度ごとに見直しがおこなわれます。
2025年1月、厚生労働省は2025年度(令和7年度)の年金額を、前年度より1.9%引き上げることを公表しました。
図表の通り、3年連続のプラス改定にはなりましたが、「マクロ経済スライド(※)」によって物価上昇率を下回る改定率となっており、実質的には年金額は目減りしています。物価上昇に年金額が追い付けていないのです。
※マクロ調整スライドとは:「公的年金被保険者(年金保険料を払う現役世代の数)の変動」と「平均余命の伸び」に基づいて設定される「スライド調整率」を用いて、その分を賃金と物価の変動がプラスとなる場合に改定率から控除するしくみ
またシニアの多くは、下記の税や社会保険料を老齢年金からの天引きで納めています。
- 介護保険料
- 公的医療保険(国民健康保険・後期高齢者医療制度)の保険料
- 個人住民税および森林環境税
- 所得税および復興特別所得税
2025年度の年金額はいくら増えたか、また自身の振込額がいくらかは、基本的に毎年贈られる年金振込通知書で確認できます。