3.3 老後対策3:不足する分の準備方法を考える

シミュレーションを通じて明らかになった不足額を、老後までの期間を利用してどのように準備するかを考えましょう。

お金の話題は親しい人との間でもなかなか出てこないことが多いですが、実際にはNISAやiDeCo、年金保険などを活用してしっかり備えている人もいます。

老後対策は「預貯金」だけではなく、自分に合った方法を選ぶことが重要です。

もちろん、働き続けて労働収入を得ることも立派な「老後対策」の一環です。

4. まとめにかえて

今回は厚生年金を月額で15万円以上受給している人の割合を確認していきました。

厚生年金受給権者全体の47.6%が月額15万円以上を受給していることがわかりましたが、長い老後生活を送るにはやや心許ない金額だと言えます。

収入だけで生活費をやりくりできない場合には、貯蓄を取り崩して補填することになりますが、老後に貯蓄を増やすのは容易でないため、現役時代にしっかりと準備しておく必要があります。

では、どれくらい準備すれば良いのか。この答えは、収入と支出のバランスにより決定するため、個々で異なります。

ねんきん定期便や年金シミュレーターなどにより老後に受給できる年金額を把握し、老後の生活費を想定して収支を試算してみると良いでしょう。

なお、いまそうであるように老後生活を迎えてから物価上昇になる可能性もあります。そうすると支出が膨らむため貯蓄の取り崩し額が増えてしまうでしょう。

こうしたリスクも考慮して、老後に向けて「最低いくら必要か」、そして「いくらあれば安心か」を計算してみてください。まずは最低限必要な金額を目標にし、ゆとりができれば安心できる金額を目標にして、老後資金を準備していきましょう。

参考資料

荻野 樹