日々働く中で欠かせない昼食。しかし、毎日のように外食をするとなると、お財布にも厳しいですよね。

そんななか、最近登場し始めたのが「ランチのサブスクリプションサービス」。これは、月額制でランチが食べ放題というサービスです。

サブスクリプションサービスとは?

そもそもサブスクリプションサービスとは、利用者が物そのものを買うのではなく、商品の利用期間に応じて料金を支払う方式のことです。月極駐車場や新聞の定期購読などは昔からあるサブスクリプションサービスといえますが、近年では、これまでは買うしかなかった商品のサブスクリプションサービスも増えてきています。その1つに挙げられるのが、「ストリーミングサービス」と呼ばれる、Apple musicやSpotifyなどの定額音楽配信サービスです。

CDの売上やダウンロード型の音楽配信は年々減っている中で、こうしたサブスクリプション型の音楽配信の売上は増加しています。ストリーミング型の音楽配信では、1再生あたりの収益は微々たるものですが、その再生回数に応じてアーティストに収益が入るという仕組みで、海外ではそうした売上がCDによる売上を上回っています。

ストリーミングサービスの潮流にいまだ乗り切れていないといわれる日本でも、今年に入ってストリーミング型配信の売上がダウンロード型販売の売上を上回るようになりました。

これまでの月額制ランチ

では、月額制ランチはというと、都内ラーメンチェーン店「野郎ラーメン」では、月額8600円で1日1杯までが無料、というサービスや、同じく東京の西荻窪にある「TKG食堂」では月額500円で卵かけご飯が毎日無料、といったサービスがあります。福岡県では、月額500円で毎日ランチが食べられるという信じられないサービスもあります。

しかしながら、都内2店舗については、有料オプションメニューがあるとはいえ、基本的にメニューが限られているため、毎日同じものを食べることを考えると、なかなか手が出ない人も多いでしょう。また、福岡の店舗に関しては、比較的安い土地でのサービスであり、開始から1年も経っていないことから、地価の高い場所で広がりを見せるかはまだわかりません。

月額制ランチの新風

そのなかで、さまざまな飲食店のランチをテイクアウトできる月額定額制サービス、「POTLUCK」が9月3日から開始されました。こちらは30日間有効のランチチケットを購入する形で、一食あたり600~680円となっています。前日の17時から当日の10時までに注文と受取時間の指定を済ませる仕組みのため、キャッシュレスかつストレスフリーに昼食が取れます。

このサービスに対して、SNSでは「食費がコントロールできる」「知らないお店にも出会えてよい」といった声が多くあり、期待が寄せられています。一方で、「当日の午前中までに注文しておかなければならないのは不便」「どのお店が加盟しているかわからない」と、登録を見送った人もいるようです。

サブスクリプションランチは流行るのか?

ランチは音楽や映画のようにネットで配信することはもちろんできません。そのため、利用できる地域はまだまだ限られており、地域差が大きなことは一つの課題でしょう。

音楽のストリーミングサービスをはじめとしたサブスクリプションサービスがさまざまな業界で根付いたように、飲食業界でも月額制サービスは普及するのでしょうか。今後の動きに注目したいところです。

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