4. エネルギー価格の支援措置は縮小へ
物価高はエネルギー価格にも影響をおよぼしています。国ではガソリンや電気・ガス料金の負担軽減措置を講じてきましたが、こちらは次第に縮小傾向にある状況です。
ガソリン補助金については1月中旬に補助が一旦終了し、以降は185円の基準額を超えた際に補助が発動されるようになりました。
電気・ガス料金については、1〜2月は補助により以下の金額が値引きされてきました。
- 低圧契約:2.5円/kwh
- 高圧契約:1.3円/kwh
- 都市ガス料金:10円/㎥
たとえば、低圧契約で電気使用量が400kwh、ガス使用量が30㎥の場合は月1300円が値引きされます。
しかし、3月からは以下のように支援が縮小されます。
- 低圧契約:1.7円/kwh
- 高圧契約:0.3円/kwh
- 都市ガス料金:5円/㎥
支援金額が4〜8割程度減っており、低圧契約で電気使用量が400kwh、ガス使用量が30㎥の場合の値引き額は月830円にまで減っているのです。
原油価格は多少下落してきてはいますが、電気代は液化天然ガスや石炭の高騰、再生エネルギーの導入コストの高騰などから、依然として高い傾向が続いています。
石油や液化天然ガスなど、ほとんどのエネルギー資源を輸入に頼る日本は、どうしてもエネルギー価格が国際情勢などに左右されてしまいます。国は段階的な補助縮小を試みているようですが、補助の終了が家計の圧迫につながる可能性は高いでしょう。
5. まとめ
住民税非課税世帯の3万円給付金は貴重なお金です。しかし、昨夏の給付金額10万円に比べるとインパクトに欠けるうえ、電気やガス代が高くなりがちな冬季の終了目前に支給されることもあり、食品購入や生活支出に充てるのが定石となりそうです。
給付を受ける際に申請が必要な場合は、必ず期日までに申請を済ませて、忘れずに給付金を受け取るようにしましょう。
参考資料
- 内閣府「国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策~全ての世代の現在・将来の賃金・所得を増やす~政策ファイル」
- 大阪市「物価高騰対策給付金(非課税世帯:1世帯3万円/子ども1人2万円)」
- 杉並区「住民税非課税世帯を対象とした給付金(3万円)について」
- 北九州市「令和6年度物価高対策重点支援給付金(3万円)について」
- 東京都主税局「個人住民税」
- 横浜市「【3万円給付金】物価高支援給付金の申請手続き」
- 資源エネルギー庁「電気・ガス料金支援」
- 資源エネルギー庁「2.経済性」
石上 ユウキ