2月25日に、自民党、公明党、日本維新の会の3党が次年度予算案の合意に至りました。日本維新の会の要求には「社会保険料の削減」がありますが、現時点ではたたき台の公表のみに留まっています。
私たちが納める社会保険料のなかでも比較的負担が大きいのが「健康保険料」です。健康保険料は毎年改定されており、新年度開始と同時に新たな保険料を納めます。すでに全国健康保険協会から次年度の健康保険料が公表されており、人によって保険料が上がる場合と下がる場合があります。
次年度の健康保険料は今年度に比べてどう変動しているのでしょうか。この記事では、2025年度の健康保険料の増減について解説します。
1. 公的医療保険の制度をおさらい
日本の医療保険は、国民皆保険の理念に基づき、すべての国民がなんらかの公的な医療保険制度に加入します。主なものは以下のとおりです。
- 被用者保険:法人や国、地方公共団体などに雇われる人やその人に扶養される人が加入する
- 国民健康保険:自営業やフリーランスの人が加入する
- 後期高齢者医療制度:75歳以上の人が全員加入する
また、受診する医療機関を自身で選べたり、医療費負担が1割〜3割の一部負担で済んだりするのも特徴です。医療費負担が本来負担すべき金額を超えた場合は、高額療養費制度により超えた分が払い戻されます。
全国健康保険協会の健康保険加入者数は2024年10月末現在で3972万9000人で、全人口の3割以上です。このように、多くの人は「被用者保険」に加入します。全国健康保険協会や健康保険組合が運営する健康保険に加入して保険料を納めることで、安心して医療を受けられるのです。
健康保険料は「標準報酬月額×保険料率」で算出されます。保険料率は都道府県ごとに異なり、全国平均は10.0%です。また、40〜64歳の人は、健康保険料とあわせて介護保険料を納めます。現行の介護保険料率は1.60%で、次年度からは1.59%となる予定です。
次章では、都道府県別に2025年度の健康保険料の増減を見てみましょう。