2.3 在職老齢年金

70歳未満の方が就職して厚生年金保険に加入した場合や、70歳以上の方が厚生年金の適用事業所で働く場合、収入によっては、老齢厚生年金の受給額の一部または全額が支給停止となることがあります。

この仕組みを「在職老齢年金」と呼び、60歳〜65歳の方も適用の対象となるため注意しましょう。

2024年度における厚生年金の支給停止額の計算方法は次の通りです。

支給停止額 = (老齢厚生年金の基本月額 + 総報酬月額相当額 - 50万円) ÷ 2

たとえば、年金月額(基本月額)が15万円で総報酬月額相当額が30万円の場合、合計が45万円となり、この場合は年金が全額支給され、減額はありません。

一方、年金月額が15万円で総報酬月額相当額が36万円の場合、合計が51万円となり、この場合は年金が5000円減額されることになります。

なお、影響を受けるのは厚生年金のみで、国民年金には影響はありません。

3. 注意点に留意しながら「老後の働き方」を考えよう

働くシニア

働くシニア

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本記事では、「繰上げ受給の制度概要」とともに、「年金を受け取りながら働く際の注意点」について解説していきました。

繰上げ受給を利用して60歳で年金を受け取り、65歳まで働くことは可能です。

しかし、場合によっては年金の一部または全額が支給停止になることがあるため、十分に注意しながら、セカンドライフの検討を行いましょう。

参考資料

和田 直子