2.2 シニアの就労を支援する制度・給付金
高年齢雇用継続給付
高年齢雇用継続給付には、「高年齢雇用継続基本給付金」と「高年齢再就職給付金」の2種類の給付金があります。
これらの給付はハローワークと勤め先が書類のやり取りをおこないますが、書類の記入などは自分でおこなう必要があります。希望すれば、申請手続き自体も自分でおこなうことが可能です。
【高年齢雇用継続基本給付金】
定年後も働き続けるとき、収入が減ってしまった65歳未満の方に対し、その減収分を補うための制度です。
基本手当(再就職手当なども含む)を受け取っておらず、60歳時点の賃金と比較して、60歳以降の賃金が75%未満に減少している、雇用保険の被保険者期間が5年以上など、いくつかの条件を満たした方が対象となります。
【高年齢再就職給付金】
基本手当を受給したのち、60歳以後に再就職した方に支給される給付金です。高年齢雇用継続基本給付金と同様に、いくつかの要件を満たした方に支給されます。
注意!給付により年金がストップする場合がある
年金を受けながら厚生年金保険に加入している方が給付を受けると、在職による年金の支給が停止され、さらに年金の一部が支給停止になります。最大で標準報酬月額の6%に相当する額なので注意が必要です。
【高年齢雇用継続給付の支給額&年金支給停止額の例】
60歳到達時点の賃金額:月額35万円
現在の賃金額:月額20万(賃金の低下率は約57%)
高年齢雇用継続給付:月額3万円(20万円×15%)※15%は低下率57%の支給率(令和7年4月以降は10%に改正)
年金月額:10万円
年金支給停止額:1万2000円(20万円×6%)
賃金+高年齢雇用継続給付+年金=20万円+3万円+8万8000円=月額31万8000円
高年齢求職者給付金
65歳以上の方が離職して、「失業の状態」であるときに受け取れる給付金です。働く意思といつでも就職できる能力があり、離職する前の1年間に被保険者期間が6ヶ月以上あれば、この給付金を受け取ることができます。
高年齢求職者給付金を受けるには、ハローワークで求職の申込み手続きが必要です。失業手当と同様に、待機期間があり、受給期限も離職日の翌日から1年と決まっています。再就職を希望する方は早めに手続きをおこないましょう。