5. 【65歳以上無職世帯】一般的な夫婦は《毎月3万4058円の赤字》

年金生活世帯の家計収支に関するデータにも触れておきましょう。

65歳以上の夫婦のみの無職世帯の家計収支(2024年)

65歳以上の生活費

出所:総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要

総務省が2025年3月11日に公表した「家計調査報告〔家計収支編〕2024年(令和6年)平均結果の概要」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯における毎月の実収入は25万2818円(うち9割が年金収入などの社会保障給付)です。

一方、支出は28万6877円となり、この世帯の場合、毎月3万2059円の赤字となります。ただし、この支出の内訳には、シニア世帯特有の出費である「介護費用」という項目が含まれていません。

5.1 「介護費用は自己資金でまかなう」シニアが9割弱

内閣府の「令和4年 高齢者の健康に関する調査結果」から、介護費用の出所についてシニアの意識調査の結果を見てみましょう。

将来、排せつ等の介護が必要な状態になった際の 介護費用のまかない方

将来、排せつ等の介護が必要な状態になった際の  介護費用のまかない方

出所:内閣府「令和4年 高齢者の健康に関する調査結果

  • 年金等の収入でまかなう:63.8%
  • 貯蓄でまかなう:18.3%
  • 子などの家族・親戚からの経済的な援助を受けることになると思う:4.3%
  • 収入や貯蓄ではまかなえないが、資産を売却するなどして自分でまかなう:3.1%
  • 特に考えていない:8.3%
  • 無回答・不明:2.2%

これによると、65歳以上の男女の85.2%が、将来、排せつなどの介護が必要な状態になった場合、介護費用を年金や貯蓄などの自己資金でまかなうと考えていることが分かりました。

リタイア後の暮らしに備え、自己資金を重視する人が多い点は喜ばしいことです。そこで、気になるのが、シニア世帯の貯蓄事情です。